糸魚川大火被害生々しく 防災意識訴える写真展 厚木

 新潟県糸魚川市で2016年に147棟を焼いた大規模火災を伝える写真展「糸魚川大火災害『魔の強風』の恐ろしさ」が18日、神奈川県厚木市内のギャラリーで始まった。「大火をあらためて見つめ、防災意識の高揚を図ってもらいたい」と相模原市に住む写真家、時田まさよしさん(69)の写真が並ぶ。厚木市と同市写真クラブの共催。24日まで。

 糸魚川市の大規模火災は16年12月、ラーメン店でこんろの消し忘れから発生。木造住宅の密集に加え、強風が吹いたことで延焼、鎮火まで約30時間を要した。時田さんは発生直後から1年後までの間に計4回、現地に赴き撮影した。

 会場には被災した光景から復興途上の様子までを伝える時田さんの写真45枚以上を展示。大火のすさまじさを知ってもらおうと、発生当時についても、糸魚川市消防本部、新潟日報社から協力を得て、提供を受けた写真を紹介している。

 時田さんは撮影で被災直後の現地を訪れた際、自身も「だし風」などと呼ばれる強風を体験したという。「火災が起きている所に強い風が吹いたことで、大変な高温になったのではないか」と思いを巡らせる。

 少年時代から写真を愛好してきた時田さんは退職するまで会社員の傍ら、大山など自然の撮影のほか、1995年の阪神大震災を発端に国内の災害現場を多く取材。会場では「災害列島日本で、今なにがおきているのか」とのタイトルで、時田さんが東日本大震災や熊本地震、茨城県つくば市で起きた竜巻など各地の災害を捉えた写真展も同時開催している。

 時田さんは「糸魚川の大火から各地の災害まで見てもらうことで、今後、防災のために何ができるかを考えるきっかけにしてほしい」との願いを込める。

 会場はあつぎアートギャラリー3(アミューあつぎ内)。午前10時から午後4時40分(最終日は同2時)まで。入場無料。問い合わせは、時田さん電話090(9327)2534。

写真展初日を迎え、撮影した当時の様子を解説する時田さん=厚木市中町

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