インドの自動車用クランク軸合弁、新日鉄住金が子会社化

 新日鉄住金はインドの自動車用鍛造クランクシャフト合弁を子会社化する。合弁パートナーである現地企業の持ち株(50%)を全て取得し、出資比率を90%に高める。住友商事の出資比率は10%で変わらない。17日、株式譲渡契約を締結した。新日鉄住金は日米中印の世界4極で自動車用鍛造クランクシャフトを生産し世界トップシェアを握る。印市場は将来有望な市場であり、子会社化により事業強化を加速していく。

 子会社化するのはSMIアムテック・クランクシャフト。住友金属工業時代の2009年7月に設立し、合弁パートナーであるアムテック・オートのダルヘラ工場を買収。事業をスタートした。設備能力は年産220万本で現状は5割を超える程度の稼働率だが、現有の人員体制ではフル生産を行っている。

 インドの経済成長は期待されたほどのスピード感を欠くが、17年の国内乗用車生産は前年比6・6%増加し世界6位から4位に浮上。中長期の市場拡大は確実視される。今回の子会社化で不安要素を払しょくし成長戦略を加速する。

 アムテック・オートは債務不履行に陥り、破産倒産法に基づき会社法審判所(NCLT)の下で再建手続きが進められている。同社の債権団がSMIアムテック・クランクシャフトの株式売却を承認したことを受け、新日鉄住金への譲渡が決まった。

 譲渡の時期はアムテック・オートの再建手続き完了後のため、現時点では未定。

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