なでしこジャパン、価値あるアジア杯連覇達成、おめでとう!!

アジア杯、なでしこジャパンはオーストラリアを破って連覇!今回も元なでしこジャパンの丸山桂里奈さんに語っていただきます!

アジア杯決勝のオーストラリア戦は、前回のベトナムのホーチミンで日本が初優勝した決勝と同じカードだ。連覇のかかる日本は、高倉監督の見事な采配により、阪口、鮫島を温存してこの決勝を迎えることができた。

スタメンは、グループリーグのオーストラリア戦と同じメンバーだ。

GK山下

DF清水、熊谷、市瀬、鮫島

MF中島、宇津木、 阪口、長谷川

FW 岩渕、菅澤

日本は、コイントスに勝ったキャプテンの熊谷は、グループリーグの時と同様に、あえて風下を選択。ゲームは、オーストラリアが、高い位置からプレスをかけて、日本のクリアーのボールを複数人でボールを奪い、主導権を握る。

前半13分。オーストラリア、カーが、ワントラップ、振り向きざまの強烈なシュートを打つが、ゴールキーパーの山下が弾く。反射神経の良さが光ったプレーだ。

続く、オーストラアの混戦からのシュートが、熊谷の手にあたり、判定はPK。

PK、ケロンドナイトの左足のシュートを、山下が左に倒れて阻止する。

前半35分、右サイドを抜けた岩渕が、長谷川にパス、長谷川が中央でワントラップでシュートを打つが、ゴールキーパーがジャンプして弾く。決定的なシュートだった。

前半終了。山下の再三のビッグセーブで、0-0で終了。日本は、徐々に前からボールを奪えるようになり、連携して、チャンスを作れるようになった。

後半開始、選手交代はなし。

後半12分、オーストラア、カーが立て続けでシュートを打つが、山下が対応する。この日の山下の反応は抜群だった。

後半15分、オーストラリア、選手交代。デバンナに代えて、サイモンを投入。

後半27分、日本、選手交代。菅沢に代えて横山を投入。

後半30分。オーストラア、ロガーゾの左足シュートは枠外に外れる。

後半39分、日本、横山が、ペナルティエリア内で、長谷川からのパスを受けると、右足アウトサイドで出してひとりかわして、強烈なミドルシュートを右上に決める。横山らしいゴール、横山にしか決めれないゴールだ。

中国戦に続く、見事なミドルシュートだが、長野バルセイロの時から、磨いてきたシュート、あの形をリーグの時もよくみていた。

後半41分、オーストラリア、カーのヘディングシュートは枠外。

後半44分、オーストラリア、バットの右足のシュートは山下が弾く。

試合終了。後半もオーストラリアが、エースのカーにボールを集めて、シュートまで持っていくが、日本は、熊谷、市瀬のセンターバックが身体をよせて、フリーにさせない。全員が、よく動き、横山の少ないチャンスをものにした。しっかりとした守備、セカンドボールの狙い、そして、交代した選手が決めチャンスをものにする。良いチームが形になってきている表れだ。

日本は、この試合、前半、オーストラリアのカーに強烈なシュートを山下が神かがり的に弾く。それに続き、PKも止めて、素晴らしい粘りを見せる。後半の中から、徐々にプレスから、日本が攻勢に出て、中国との決勝に続いて、途中出場した横山が、素晴らしいゴールを決める。シンプルにボールをつなぐ長谷川のセンスの良さ、そしてここぞという時に決める横山の強靭なメンタル、技術の高さ!素晴らしいなと思う。

日本は、イエローカード1枚で、フェアープレー賞。岩渕が、MVPを獲得した。一番に期待しているのが、岩渕なのでとにかく!嬉しいと同時に彼女が活躍してくれるのをイメージしてきたので、これからの彼女に益々期待したい。

アジア杯を連覇したのは、色々な意味で価値がある。

このチームとして、大きな大会でのタイトルを取ったのは、1試合1試合、成長を遂げた証だ。更に、昨年の東アジア大会の惨敗、アルガルベ杯の敗退の試合内容と比較して見ると、ブレスからの連携、相手の身体へのよせの速さ、攻守の連係と組織力の強さ等、進化がみられた。

アジア杯連覇と最高の結果を出したことは、来年のフランスW杯に向けて、大いに期待をもたせる。もちろん、W杯で勝つには、相手に容易にシュートを打たせない。容易にクロスをあげさせない、守備から攻撃にどうやって人数をかける等の課題も残る。個人とチームと更なるレベルアップも当然求められる。

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