大映スター一堂に シナリオや写真など100点 鎌倉・川喜多映画記念館

 1950年代を中心に日本映画を彩った大映映画の出演俳優を紹介する企画展「大映映画のスターたち」が鎌倉市川喜多映画記念館(神奈川県鎌倉市雪ノ下)で開かれている。長谷川一夫や京マチ子ら往年の銀幕スター出演作のポスターやパンフレットのほか、シナリオや写真がずらりと並び、日本映画の黄金期と呼ばれた時代を振り返ることができる。6月17日まで。

 大映は、ベネチア国際映画祭でグランプリを受賞した黒沢明監督の「羅生門」(50年)など日本映画史に残る名作を手掛けた。鎌倉ゆかりの監督や俳優の作品も多く、その魅力を伝えようと企画された。

 16人の俳優と出演作を、当時の色鮮やかな映画ポスターなどとともに紹介。鎌倉で暮らした小津安二郎監督による「浮草」(59年)の直筆シナリオの一部や、写真家早田雄二さんが写した山本富士子さんらのポートレートなど、約100点が並ぶ。

 溝口健二監督ら巨匠の下で美術監督として活躍した水谷浩さんのデッサン画もあり、「大映の美術への力を注ぎようも垣間見ることができる」と同館。大阪府から旅行で訪れた自営業村上直子さん(45)は「当時を感じられる資料に触れられて新鮮だった」と笑顔を見せた。

 期間中は40~60年代の14作品を上映。元大映女優の南美川洋子さんのほか、2015年に亡くなった原節子さんについての著書があるノンフィクション作家の石井妙子さんをゲストに招くトークイベントも開かれる。

 一般200円、小中学生100円。申し込み方法など問い合わせは、同館電話0467(23)2500。

映画のポスターやパンフレットなどが展示されている企画展=市川喜多映画記念館

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