流鏑馬 妙技に喝采 鎌倉時代の伝統行事復活 諫早神社

 長崎県諫早市宇都町の諫早神社前の本明川河川敷で22日、流鏑馬(やぶさめ)奉納があった。途絶えていた伝統行事の復活を一目見ようと大勢の市民が詰め掛け、疾走する馬上から矢を的中させる射手(いて)の妙技に大きな喝采を送った。
 宮本健一宮司(38)によると、以前は同神社の敷地(参拝道)だった河川敷で、鎌倉時代から秋の例大祭に合わせて盛大に流鏑馬が開かれていたという。戦争や1957年の諫早大水害で資料が紛失するなどして途絶えていたが、地元の伝統文化を復活させようと、昨年春にNPO法人長崎流鏑馬保存会(本田殖也代表)などの協力を受けて、神社境内でデモンストレーションを実施した。
 今回は河川敷に本格的な全長約180メートルの馬場を作り、48センチ四方の三つの的を設置した。神事の後、鎌倉時代の狩衣(かりぎぬ)をまとった本田代表(43)ら5人の射手が、陰陽を表す「インヨーイ」などと掛け声を放ちながら次々と的を射抜いた。
 子ども向けの流鏑馬体験も実施。参加したほなみ保育園の松井皇祐(こうすけ)ちゃん(5)は「馬の背中は高かったけどおとなしくて怖くなかった。また来年乗りたいな」と話した。

大勢の市民が見守る中、見事に的を射抜いた流鏑馬=諫早市、本明川河川敷

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