リレー方式長期化懸念 全線フルで国交省試算12年

 県は23日の県議会総合交通対策特別委員会で、九州新幹線長崎ルートの新鳥栖-武雄温泉間の整備方法に関し、国土交通省が示した収支採算性などの試算内容を説明した。国交省の試算によると、県などが求める全線フル規格で整備した場合、実現は順調にいっても2034年度になる見込み。この間、新幹線と在来線特急を乗り継ぐ「リレー方式」が続くとみられ、委員からは長期化を懸念する声が上がった。
 長崎ルートは22年度にリレー方式で暫定開業する予定。新鳥栖-武雄温泉間の整備方針について県はフル規格での整備を望んでいる。国交省が3月、与党検討委に示した試算によると、同区間をフル規格にした場合の工期は約12年かかると想定している。
 前田哲也委員(自民)は「(沿線自治体では開業に向けた)再開発が進んでいる。長期化するとまちづくりに対する影響が大きい」と指摘。大久保潔重委員(自民・県民会議)は「22年度の開業までには、フルで整備することを決定しておかなければならない」とした。
 廣畑健次企画振興部次長は、長期化が本県にとって不利益になるとの考えを示しながら「(国に)早期に方向性を決めてもらう必要があるが、一方でリレー方式でも開業効果を高める取り組みは必要だと考えている」などと述べた。

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