【上越テクノスクールの人材教育】鉄骨ファブなどへ人材輩出 溶接・設備メンテなど

 新潟県立上越テクノスクールは新卒向け、離職者向け職業訓練の他、企業からの要望にも応えることで鉄鋼・金属関連からも即戦力となる人材育成に定評がある。同校は溶接科、生産設備メンテナンスコース、木造建築科、ビジネススタッフ科を擁する。

 溶接科はこれまで周辺の鉄骨ファブリケーターなどに多くの人材を供給してきた。

 清水亮訓練第2課溶接科専門指導員は「皆が希望する明るい未来を選択する一つとして溶接科が選ばれれば良い。半年間の基本技能習得で戦力になるよう指導している」と語る。

 最近は新卒だけでなく30、40、50代と幅広い世代から入校希望があるという。「定年後も長く働きたい」と職人の世界に興味を持って飛び込んだ人もいる。

 「仕事への価値観が変わった」と清水先生。

働き方の変化で60歳以降も「手に職を付け、収入を得たい」。あるいは「自分の時間を大切にしたい」と選択する人も。再就職の形はさまざま。近年は「地元企業に貢献したい」。「何か形に残るものを作りたい」という声が多いという。

 清水先生自身、再就職の難しさを身を以て経験した。「皆が見ていない所で練習し、悔しい思い、辛い思いをしたことが訓練生との関わり合いで役立つ。

 「企業が繁忙な反面で人材育成に費やす時間、手間、余裕がないがテクノスクールはサポートできる」「どの会社に行っても使える人材、すなわち種を育てている。各企業で種から花を咲かせてほしい。ここは地味な種だが一生懸命、大事に育てる」。

 また、企業の意図する能力とミスマッチが起きないよう、入念に打ち合わせする。

 清水先生は「修了生は年齢を問わず採用を検討してほしいと強調する。特に40、50、60代は入校時から向上心が高い。先入観にとらわれず、一度会って目を見て貰えば伝わるものがある」という。

 《訓練内容》

 金属加工の基礎、孔開け、ケガキ、ヤスリ。半自動アーク溶接時実習、基本級(SN―2F)、被覆アーク溶接実習と基本級(N―2F)の資格取得、TIG溶接の実習と基本級(TN―F)の資格取得を目指す。

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