新執行役員プロフィール・神戸製鋼所

元行正浩氏(エンジニアリング事業部門新鉄源本部担当、同プロジェクトエンジニアリング本部長)/もとゆき・まさひろ/技術出身の営業マン

 エネルギーや化学プラント21年、天然ガス還元鉄やアイアンナゲットの新鉄源14年と一貫してエンジニアリング部門を歩んできた。テニスで鍛えた体力で世界を飛び回り、技術畑出身だが、顧客や社内でも営業畑出身と見られてきた。

 「ポジティブで、プロジェクトやグローバルな事業展開の遂行能力は秀逸」と周囲評。

 4月発足のプロジェクトエンジ本部長としてエンジ各本部横串の事業展開を進める。

 「『安全・品質・コンプライアンス』を最優先し、『引き渡しと顧客満足』を意識して受注・プロジェクト遂行していく」と抱負。

 83年(昭和58)東大機械工学卒。大阪市出身、57歳。

北山修二氏(鉄鋼事業部門線材条鋼分野生産技術の担当、同神戸製鉄所長)/きたやま・しゅうじ/人望厚い、行動の人

 社歴36年の大半を神戸、加古川両製鉄所で製銑部門など高炉操業・技術開発業務を担当。1995年の阪神淡路大震災で停止した神戸第3高炉の復旧・立ち上げに全力で取り組んだ。

 4年前に神戸副所長。技術総括部長を経て再び神戸へ。「上工程の加古川集約で特殊鋼単圧ミルとなったが、技術・技能を進化させ、世界ナンバーワンの特殊鋼線材条鋼に磨きをかける」と抱負。

 「価値観と軸を見失わず行動する存在感のある人」と人望厚い。座右の書は『正範語録』。信条も「本気でやれ」。休日は家庭菜園とゴルフで気分転換。

 82年(昭和57)大分工業高専機械工学卒。大分県出身、56歳。

栗岡義紀氏(機械事業部門圧縮機事業部副事業部長、同事業部回転機本部長、同本部回転機技術部長、同本部事業推進室長)/くりおか・よしのり/世界を知る技術屋

 27年間、圧縮機の設計部門を歩み、顧客提案で世界を飛び回った。30代半ばには非汎用圧縮機の本場・米国に8年間駐在。営業担当とともにコベルコ・ブランド参入を果たした。

 回転機(非汎用圧縮機)は石油掘削・精製、化学プラントなどに使われ、競合相手も欧米企業などグローバル。回転機本部長として「品質・納期の順守など顧客要求にしっかり応えて信頼回復に努め、昨年完成の大型ターボ試運転棟やFCV車・水素ステーション用圧縮機開発などの大型投資を実際の受注につなげていく」と抱負。

 休日はゴルフ教室で特訓中。

 91年(平成3)東北大院機械工学修了。神戸市出身、52歳。

木本和彦氏(鉄鋼事業部門企画管理部、原料部、資材部の担当)/きもと・かずひこ/営業畑、明朗快活

 明朗快活。自然体で気負わず、どんな立場の相手にも同じ目線で接する。

 好きな言葉は「意志あるところに道は開ける」。

 営業畑が長い。鉄鋼通商摩擦が激化した1990年代後半には輸出部門で通商を担当。事業環境の変化のスピードの速さを痛感した。「仕事観が変わる大きな経験になった」と振り返る。

 執行役員として鉄鋼事業部門の企画管理部、原料部などを担当する。

 加古川への集約という新たな生産体制の下で「新しい事業モデルを完成させたい」と抱負。

 趣味は読書。専門家向けの自然科学の難解本を愛する。88年(昭63)北大法卒。52歳。愛知県出身。

浅田秀樹氏(アルミ・銅事業部門アルミ板事業、銅板事業担当、同安全管理担当、同技術部長)/あさだ・ひでき/熱血漢、初のアルミ・銅部門

 熱血的な現場長タイプ。一貫して鉄鋼部門を歩み、加古川製鉄所の熱延工場リフレッシュや阪神淡路大震災からの復旧に取り組んだ。「誠実に、品質と納期を守り、会社の信頼回復に努める」を抱負とし、これまでの経験をフルに生かす考え。

 アルミ・銅事業部門について「輸送機の軽量化や電装化など成長分野。やりがいがある」。その上で「アルミ板事業では直近2年間で500億円を超える大型投資を意思決定した。これら案件を計画通りに推進する」と語った。趣味はジョギング。「うまくはないがゴルフも好き」と。

 86年(昭61)神戸大学大学院工学研究科電気工学修了。兵庫県出身、56歳。

門脇良策氏(アルミ・銅事業部門原料部品質保証部担当、企画管理部長)/かどわき・りょうさく/管理・研究畑、対話重視

 管理や研究畑を歩み、昇進と同時に経営企画部長から初の事業部門に転じた。ガラス繊維強化樹脂材の事業化・撤退や京セラとの医療材料事業合弁に関わった仕事が印象深い。「どの局面でも徹底的に対話することを一番大切にしてきた」と話す。

 今後は「モノづくりの原点に返り顧客からの信頼を取り戻すとともに、社員が自信と誇りを持てるようにしたい」と表情を引き締める。経営企画で培った全体観で他部門との幅広い交流を促進。より開かれた新たなアルミ・銅事業部門をつくる。趣味は料理や映画鑑賞。東京は単身赴任で、自宅に帰った際は妻子に手料理を振る舞う。90年(平2)京都大院卒。兵庫県出身、53歳。

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