今季ノーポイントのウイリアムズF1。ドライバーの走りには「満足している」とチーム首脳

 ウイリアムズF1の技術部門を統括するパディ・ロウは、チームが現在抱えるパフォーマンス不足を、ドライバーラインアップの若さや経験の浅さの問題ではないと語った。

 現時点でウイリアムズは、2018年シーズンにポイントを上げていない唯一のチームとなっている。 

 ふたりのドライバーのうちランス・ストロールは、メルボルン、バーレーン、上海の開幕3レースすべてで14位だった。また、セルゲイ・シロトキンは開幕戦でリタイアし、その後の2戦はいずれも15位に終わっている。

 ルーキーのシロトキンは、今シーズンの3レースしかF1での実戦経験がない。これに対して、弱冠20歳のストロールは2017年にフルシーズンを戦い、そのうちアゼルバイジャンGPでは表彰台も経験している。

「我々のチームにいるのは、それぞれ比較的経験の浅いふたりのドライバーだ。だが、今の彼らの走りには非常に満足している」とロウ。

「ドライバーには問題はない。我々の作ったマシンが正しく、あるいは意図した通りのパフォーマンスが発揮できていない、という事実から目をそらすつもりはない」

 ウイリアムズは、今シーズンのドライバーラインアップ選定にあたって競争力よりもスポンサー収入を優先させたとして、特に前ドライバーのフェリペ・マッサなどから批判を浴びてきた。

 ドライバーの選定理由がどうであれ、2018年型マシンのFW41はこれまでのところ、期待を大きく下回るパフォーマンスしか残せていない。

「結局のところ、どうマシンを作ったとしても、それを走らせるのはドライバーたちだ。そのマシンを自分なりに解釈するドライバーの資質や影響といったものも考慮に入れなければならない。そして、ドライバーは一人一人違うのだ」

「我々は今、競争力という点では、望んでいた場所、意図していた場所にはいない。だが、それは我々自身が導いた結果だ。これまで我々がやってきた作業が不十分なことがはっきりした」

「それでも、この先は堅実かつ急速に進歩していけるだろう、という楽観的な気持ちもすでに持っている。我々はもうその道のりを進み始めている」

 ロウは、イギリス・グローブにあるウイリアムズの本部に悲観的な空気が漂っていると示唆する声を退けた。

「意気消沈しているというようなことはない。落ち込んでいても、現状から抜け出すことにはならない」

「現状から抜け出すということは、状況を俯瞰し、分析し、自分たちがどこにいるのかを把握することだ。それから、次に何をすべきかを理解して、組織全体をそこに向けて集中させていくことなのだ」

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