【MLB】シカゴ紙、ダルに“苦言”の正捕手を一刀両断「レギュラー2年目の選手が…」

カブスのダルビッシュ有と正捕手のウィルソン・コントレラス(右)【写真:Getty Images】

前回登板に5回に突如乱調で2敗目、試合後の女房役のコメントは「不愉快」

 カブスのダルビッシュ有投手は、21日(日本時間22日)の敵地ロッキーズ戦で4回2/3を投げて5安打4四球5失点4奪三振と乱調に終わり、今季2敗目を喫した。4回まで好投しながら5回に突如乱れてKOされたのは今季4試合中3試合目。右腕にとっては“魔の5回”となっているが、試合後にダルビッシュを擁護しなかった女房役を地元メディアは一刀両断している。

「なぜカブスはユウ・ダルビッシュのために弁解しないのか。彼らがジェイク・アリエッタのためにしたように」と特集したのは地元紙「シカゴ・サンタイムズ」だ。今季、5回に突如崩れる展開の続くダルビッシュ。キャンプイン直前に6年1億2600万ドル(約137億円)の大型契約を結び、カブス入りした日本人右腕には炎上続きで厳しい視線が向けられている。

 だが、ダルビッシュを擁護しようとしなかったチームメートはさらなる批判を浴びている。

「デンバーでは不愉快なことがあった。土曜日のロッキーズ戦で確かにダルビッシュは良くなかったけど、決して彼のことを指しているわけではない。不愉快なこととは、またしても苦しい登板となってしまったこの日のダルビッシュに対する扱い方だ。キャッチャーのウィルソン・コントレラスは2死でロッキーズの投手、タイラー・アンダーソンに四球を出したことを(声を大にして)指摘した」

 記事ではチームメートを「不愉快だ」と一刀両断。槍玉に挙げられたのはコントレラス捕手だ。女房役が試合後、「2アウトの後、彼はあまりにも余裕を見せているように見えた。彼は四球を出し、フェイクバント(バントのふりをする)もあった。ダルビッシュは頭の中で、混乱しているように思えた。メジャーでは何アウトであろうが、打者に対して攻めていかなければならない。我々はそこから学ばなければいけない」と、ダルビッシュへの“苦言”とも取れる発言をしていたことを紹介している。

 だが、ダルビッシュを擁護しないこのコントレラスの発言には疑問符がつけられている。

昨季レギュラーに定着したコントレラスは「単純に成長すべし」

「私はジョン・レスターに対する似たような批判を誰かがしたことを思い出せない。カイル・ヘンドリクスにも、ホセ・キンタナにもだ。ジェイク・アリエッタの投球間隔の遅さを昨季批判したキャッチャーは、その後すぐに放出された。しかし、カブスで4試合目のダルビッシュは25歳の捕手に軽く平手打ちを受けているのだ」

「なぜダルビッシュは誰も受けなかった仕打ちを受けているのか。特に、昨季苦しんでいたアリエッタと異なる扱いを受けているのか」

 特集では若手捕手の発言を問題視。オフにFAでフィリーズに移籍したかつてのエース、アリエッタをはじめとした先発陣との違いを指摘している。

 今季も優勝候補と見られているカブスはここまで10勝9敗。現在、ナ・リーグ中地区4位となっている。ダルビッシュの乱調も影響しているが、記事では「彼のパフォーマンスを心配するにはあまりに時期尚早だ」と指摘。そして、「アンソニー・リゾ、アディンソン・ラッセル、キンタナに対する文句は誰からも聞かない」と他にも不振の同僚がいるとした上で、若手捕手の言動を批判している。

「コントレラスとは誰なんだ。メジャーのスタメンに定着して2年目の選手が公の場でダルビッシュが不調だと指摘するのか? ダルビッシュにメジャーで活躍する方法を公の場で教えているのは誰なんだ? ダルビッシュはオールスターに4回出場している。コントラレスは1度も出場していないことを知っている。ダルビッシュを悩ませる弾丸をなぜ放つのか? ファンやメディアはダルビッシュへのコントラレスの批判を歓迎し、文字にした」

 実績を重んじるメジャーで、苦しい出だしとなった実力者に対する公の場での批判は身分不相応だと指摘。「コントラレスは捕手として成長するための次のステップに進むべき。それについては山ほど書くべきことがある。単純に成長すべし」と記事では提言している。

「ダルビッシュには土曜日の扱われ方よりも相応しいものがあった。カブスが契約した時、彼はスターだった。シカゴでの先発4試合目では何も変わっていない。チームが特定の1選手の扱い方を決めたことを除けば、だ。奇妙なことだ」

 特集では最後まで苦しいスタートとなったダルビッシュを擁護。公の場で批判した若きチームメートを糾弾していた。

(Full-Count編集部)

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