写真集「南端」 主人公は「三浦の人」 5月4日に上梓 三浦市

写真集「南端」の表紙

 街の息づかいをポートレートで表現―。写真家・有高唯之さんが、三浦に生きる人に光を当てた写真集を市内唯一の出版社「アタシ社」から5月4日(金)に出版する。「一生残る作品。市内外に三浦の魅力を伝えることができたら」と話している。

 主題は「南端(なんたん)」。トラクターに腰掛ける女性農家や誇らしげに魚を掲げる漁師などの表情を切り取り、「三浦で今、まさに生きる人」をテーマに街の魅力をまとめた。

 もとは2016年、「地域に生きる人びとの姿から歴史・風土・産業を感じてほしい」との思いで企画された写真展「三浦の人びと展」だった。逗子在住の写真家・有高唯之さん=人物風土記で紹介=が職と人をテーマに漁港、畑、神社、直売所などへ赴き、約40人の三浦市民を撮影。三崎魚市場ほかを会場にした展示には1500を超える人が来場し、好評のうちに幕を閉じた。

「贅沢な一冊」

 版元のアタシ社は、昨年三崎へ移住したミネシンゴさんが代表を務める出版社。知人の紹介で知り合った有高さんの作品に魅了され、書籍化しようと意気投合。写真や印刷に造詣の深い三村漢さんをデザイナーに迎え、3人での制作がスタートしたのは今から5カ月ほど前だったという。

 印刷用紙は風合いや微妙なニュアンスの光沢がある高級紙を採用し、通常のモノクロ印刷とは異なる色の深みを追求。さらに帯紙には、かつて三崎日の出区で暮らしていた小説家のいしいしんじさんがコメントを寄せるなど、「大手出版社ではコストが見合わない贅沢な仕様」とミネさん。写真展後、新たに撮り下ろされた人物・風景写真も加わり、その総頁数は100に及ぶ見ごたえある一冊に仕上がった。

三崎下町で記念展示

 出版を記念して、5月3日(木)にレセプションパーティー(入場千円)、4月29日(日)〜5月20日(日)の正午〜午後7時(火曜定休)に写真展を、それぞれ旧みうら映画舎で行う。

 価格は3500円(税別)。全国書店のほか、三浦市内では三崎堂書店、佐久間書店、アタシ社「本と屯」(三崎3の3の6)またはホームページから購入できる。詳細はアタシ社【メール】mineshingo@atashisya.com

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