大磯・二宮・中井人身交通事故 高齢者が4割占める 免許証返納に支援の町も 大磯町・二宮町・中井町

 高齢ドライバーによる危険運転や交通事故が問題視される中、大磯・二宮・中井では高齢者の関わる交通事故が4割近くを占める。一方で免許証を返納した人に対して独自の支援を行う町も出てきている。

 大磯警察署と松田警察署によれば、大磯町と二宮町の人身事故発生件数は過去5年間で年々減少傾向にあり、中井町は年間30件前後で推移している。これに対し65歳以上が加害者または被害者になった「高齢者の関係する事故」の割合はどちらも全体の3〜4割を占める状況になっている。

 70歳から74歳までの免許証の更新には「高齢者講習」の受講が必要で、75歳以上になると講習前に認知機能検査が義務付けられるなど、高齢ドライバーが免許証を持ち続けることは容易でない。こうした状況の中、運転免許証を自主返納する人が増えており大磯署では4年前の3・3倍、松田署では7倍にも及ぶ。

 免許証を返納した人には有料で「運転経歴証明書」が発行され、身分証明書として使用できるほか文化施設や協賛企業で割引などの優待を受けられる。これに加えて中井町では今年4月から中井町オンデマンドバスの回数券5000円分、二宮町では昨年10月からコミュニティバスの割引手形を交付することで自主返納を後押ししている。中井町は「自家用車に代わる交通の足としてオンデマンドバスをご利用頂ければ」と話している。

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