アユ1万匹を放流 愛川町

 川に放流したアユがどのように移動して成長するのかを調査するため、県内水面漁業振興会は24日、調査用の養殖アユ1万匹を愛川町角田の中津川に放流した。ほかのアユと区別するため、ひれの一部をカットする作業を内水面種苗生産施設(相模原市南区下溝)で行った。相模川や中津川の漁協役員や県立海洋科学高校(横須賀市長坂)生徒ら約20人が参加した。

 昨年秋に生まれ、同施設の水槽で体長7センチ前後にまで育ったアユ1万匹を用意。いったんプラスチックの箱に入れて麻酔をかけ、参加者らが1匹ずつ手に乗せて解剖用の小さなはさみで背びれと尾びれの間にある「あぶらびれ」と呼ばれる小さなひれを慎重にカットしていった。

 あぶらびれをカットしたアユを調査用に放流するのは2013年度に実施して以来。今回は県立海洋科学高に声を掛け、生徒11人が参加した。生徒らは漁協役員らに教えてもらいながら慎重にアユを取り上げて作業を行った。作業が終わったアユは再び水槽に戻されると麻酔が解け、元気に泳いでいた。

 2年生の二人は向かい合って作業し「普段は淡水魚を触る機会が少ないのでとても興味深い」などと話し、真剣な表情で作業をしていた。

 振興会では6月のアユ釣り解禁以降、ひれをカットした標識アユを釣った人に各漁協などに届けてくれるよう呼び掛け、放流したアユがどの程度成長するのかなどを調査する。

漁協関係者に教えられながら養殖アユのあぶらびれをカットする県立海洋科学高校の生徒ら=相模原市南区下溝の内水面種苗生産施設

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