白銅、受注の最終締切り時間を6月から30分前倒し 運送業界の労働環境改善受け

 非鉄流通大手の白銅(社長・角田浩司氏)は、扱い製品の最終締め切り時間を繰り上げることを決めた。6月1日の受注・見積もり分から午後5時半(一部地域は午後5時)に変更する。運送業界が労働環境改善に動く中、白銅は配送の確実性を高めるためには注文時間の変更が不可欠と判断した。今回の変更後も、業界で最も遅い締め切り時間は維持する。

 非鉄製品の配送環境をめぐっては、運送業界のドライバー人口の減少やネット取引の増加による集荷量の拡大によって需給がひっ迫。さらに業界を挙げてドライバーの労働時間の適正化を推進している。

 こうした環境下で、昨年半ばには大手配送業者が総量規制と受け入れ価格の値上げを実施しており、非鉄流通業界にとっては配送コストが上昇局面にある。

 配送サービスに力を入れる白銅は、当日注文で最短翌日到着を提供しているが、最終締め切り時間を午後6時(地域によっては午後3~5時半)と設定していた。しかしながら運送業界からの要請に対応するためには、締め切り時間の変更が不可欠として、30分の前倒しを決めた。従来から締め切り時間が午後6時以前だった地域については、今回変更はない。白銅は「締め切り時間を午後5時半に改定した後も業界で最も遅い受付時間を維持できる」としている。

 なお白銅ネットサービスでのみ取り扱っていた〝金曜日の締め切り時間後でも土曜日正午までの注文で月曜日に配送する〟サービスは継続する。

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