15年前の殺人容疑で書類送検 遺体で発見の指名手配男

 清川村の宮ケ瀬湖で昨年8月に見つかった遺体が、2003年に厚木市で男女2人を殺傷したとして指名手配されていた男=事件当時(24)=と判明し、県警は24日、殺人と殺人未遂の疑いで容疑者死亡のまま書類送検した。

 県警によると、男は厚木市南町、アルバイト清掃員。書類送検容疑は、03年11月9日午前1時25分ごろ、同市東町の駐車場で、静岡県富士市の飲食店従業員の女性=当時(26)=の胸を刃物で刺して殺害し、悲鳴を聞いて駆け付けた当時25歳の同店店長の男性(39)を刺して重傷を負わせた、としている。

 捜査1課によると、男は、女性が勤務する飲食店に客として通っていたといい、男性の目撃証言などから浮上したという。同容疑者の乗用車が現場から約20キロ離れた宮ケ瀬湖近くで見つかったが、その後の足取りは途絶え、県警が全国に指名手配していた。

 昨年8月12日に、宮ケ瀬湖畔を散歩中の男性が白骨遺体を発見。県警が同容疑者の両親から提供された本人のへその緒や親族のDNA型と照合した結果、同容疑者と一致したという。遺体が身に着けていた上着のポケットから、同容疑者の乗用車と同じとみられる車の鍵も見つかったという。

 県警によると、同容疑者の死因は不明だが、自殺とみている。捜査員から捜査の進展を伝えられた女性の遺族は「安心した」と話したという。

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