活断層を学び備える見学会 30日に三浦で第1弾

 三浦半島の「活断層」を学び直す現地見学会が、今月からスタートする。市民団体「三浦半島活断層調査会」(茅野教幸会長)の企画で、第1弾の30日は三浦市の南下浦断層を観察。その後も横須賀市を中心に断層の痕跡などをたどり、足元で起きる大地震への備えを考える。

 阪神大震災の起きた1995年に発足した同調査会はこれまで、断層の位置や露頭の状況などを調べ、成果を伝える観察会をたびたび開いてきた。発足20年を記念した2016~17年の見学会の間に熊本地震が発生。活断層への関心が再び高まったことなどから、半島各地に分布する活断層をあらためて案内することにした。

 南下浦断層は、断層の動きによってずれた地形が海岸の浅瀬に露出しているのが大きな特徴。その様子を観察するため、大潮に当たる30日の干潮の時間帯に訪ねる。また、付近の崖に残る食い違いの状況も確かめるとともに、宅地開発によって痕跡が失われた現場にも足を延ばす。

 今後は6月に断層の存在が推定される逗子海岸、秋には武山断層を見学する。19年度も継続し、北武断層や衣笠断層、引橋断層を対象とする予定だ。

 政府・地震調査委員会は三浦半島断層群について北側の主部と南部に分け、主部をさらに二つに分けて評価。主部の武山断層帯と衣笠・北武断層帯はそれぞれ、日本の主な活断層の中では将来的な地震の発生確率が高い「Sランク」に分類されている。だが、平均活動間隔は千数百年以上と長く、正確な予測は難しい。南下浦断層を含む南部は活動状況が詳しく分かっておらず、発生確率は「不明」とされている。

 30日は午前9時集合。参加費500円。往復はがきかメール(akasu@jcom.zaq.ne.jp)で調査会事務局の赤須邦夫さんに申し込む。27日締め切り。問い合わせは赤須さん電話0467(24)0935。

熊本地震後に行われた北武断層の観察会。断層がずれる影響を避けるため、直上は公園になっている=2016年5月、横須賀市野比

© 株式会社神奈川新聞社