【MLB】大谷翔平、白星消滅も示したポテンシャル 世界一名将「彼の球は優れている」

アストロズ打線相手に6回途中4失点と粘投したエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

大谷4度目先発は6回途中4失点、降板後に3勝目消滅

 エンゼルス大谷翔平が24日(日本時間25日)の敵地アストロズ戦でメジャー4度目の先発登板に臨んだが、6回途中4失点で勝敗はつかなかった。1点リードの6回1死一塁の場面で降板したが、直後に2番手のアルバレスが逆転2ランを被弾。エンゼルスはその後、再逆転に成功し、8-7と勝利。ア・リーグ西地区首位に再浮上した。試合後、アストロズのA.J.ヒンチ監督は自己ワーストの5四球と苦しんだ二刀流右腕について「彼の制球が正確ではないとはっきり判断することはできないよ。彼の球は優れている」との見解を示した。

 右手中指のマメの降板から中6日でマウンドに上がった大谷は2回2死走者なしから二塁打と四球でピンチを招き、ゴンザレスのタイムリーで1失点。3点リードの5回には先頭のゴンザレスへの四球の後、9番フィッシャーにバックスクリーンに2ランを被弾した。その後、1点リードの6回1死一塁で降板したが、直後にアルバレスが2ランを被弾して3勝目が消えた。

 大谷は5回1/3でメジャー自己最多の98球を投げ、6安打4失点。メジャー自己最速の101マイル(約163キロ)を計時し、7三振を奪う一方、5四球を与える内容だった。この日の投球を同地区のライバルチームはどう見たのか。

 昨季アストロズをワールドシリーズ(WS)王者へと導いたヒンチ監督は地元メディアに対し、「彼はいい球を投げるね」と話し、「(対戦したのは)まだ1試合だけだから、彼の制球が正確ではないとはっきり判断することはできないよ。彼の球は優れている。最高級の直球と最高級のスプリットを持ってるからね」と評価した。

二塁打放ったブレグマン「多くの変化球を投げることはわかっていた」

 また、「彼の球数を増やすことができたし、プレッシャーも少しはかけられていたんだ。彼と対戦したことがなかったことを踏まえると、我々は本当にいい打席を送れていたと思うよ」と初対戦の内容に手応えを示しつつ、「だけど、彼は素晴らしい才能を備えている」と付け加えた。

 一方、2回に大谷から二塁打を放ったブレグマンも地元メディアの取材に「彼はいい選手だよ。僕たちは試合前に彼が多くの変化球を投げることはわかっていた。たぶんだけど、(エンゼルス捕手の)マルドナードがそういうサインを送るだろうと思っていたからね。彼は変化球をよく制球出来ていたと思う。彼はいい投手だよ。マウンドでしっかり投げていたね。対戦していて楽しい選手だ」と評している。

 ここ2試合で7失点を喫した大谷は、防御率も4.43まで悪化。それでも今季メジャーの先発投手で最速となる101マイルを記録するなどそのポテンシャルを示した。この日は球審の際どい判定もあり、苦しむ場面もあったが、同地区にいる昨季王者はさらに警戒心を強めた様子だ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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