新日鉄住金、米CH鋼線合弁が営業生産 年産能力3.6万トン

 新日鉄住金の米国の冷間圧造用(CH)鋼線製造・販売会社「ニッポンスチール&スミキン・コールドヘッディング・ワイヤ・インディアナ」(略称NSCI)は営業生産を開始した。年産能力3万6千トンの酸洗・伸線・熱処理の一貫ラインを構築し、サンプル出荷を行うとともにユーザーの製造承認の取得作業を進めていた。主要設備は酸洗・被膜ライン1基、伸線機4基、熱処理炉2基。最大40ミリ径の鋼線を製造でき、自動車用ファスナー向けをメインに、太径サイズも生かして冷間鍛造部品向けにも対応する。総投資額は約5千万米ドル。

 NSCIは日本の線材二次加工メーカー4社、商社4社との合弁。日系自動車・部品メーカーの集積地であるインディアナ州(シェルビービル市)に本社・工場を置き、主にボルト・ナットなど自動車用ファスナー向けに高品質のCH鋼線を安定供給する。日鉄住金精圧品の米国会社で冷間鍛造品を生産するIPFの敷地を活用しており、IPFとの連携深化も期待できる。

 新日鉄住金はグループ内外の二次加工メーカーと高度の国内サプライチェーンを構築しており、ユーザーの海外生産拡大に合わせて、国内で培った技術力やサプライチェーンのノウハウを海外に展開している。

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