五輪セーリング準備「難航していない」 江の島会場で知事反論

 国際セーリング連盟が2020年東京五輪の会場となる江の島(藤沢市)について「準備が1年遅れている」と懸念を表明している問題で、黒岩祐治知事は26日の定例会見で「難航しているとは思っていない」と反論した。

 江の島を巡っては、同連盟の最高幹部が17日にバンコクで開かれた夏季五輪国際競技連盟連合(ASOIF)総会で、漁業関係者との交渉でレース海面の決定が遅れている点や津波対策、海上警備の態勢などの問題点を指摘。鈴木俊一五輪相も大会組織委員会に対し早期に状況を確認する意向を示している。

 これに対し、黒岩知事は「漁業関係者に丁寧に説明しながら進めている。それを見ていただいて国がどういう判断をするか見極めたい。われわれとしては手を抜いているつもりは全くない」と強調。組織委と漁業関係者の間に立って理解を求めていくとした。

 同連盟の指摘を受け、大会組織委は20日、競技水域については今年と来年のテスト大会を経て最終決定する方針を表明。海上警備については、海上保安庁や警察が対処することで「安全は確保されると説明している」としている。

東京五輪の会場となる江の島

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