マクラーレンF1の技術部門ボスが退任との報道。期待外れのパフォーマンスを受け、組織再編が進行

 マクラーレンF1チームのシャシー担当チーフテクニカルオフィサー、ティム・ゴスが、そのポジションから外れたと伝えられている。

 正式発表はなされていないものの、アゼルバイジャンGP直前の26日、BBC Sportが、マクラーレンは技術部門の再編に取り掛かっており、その一環でゴスがチーフテクニカルオフィサーのポジションから退いたと伝えた。

 BBC Sportによると、マクラーレンのスポークスマンはゴスの退任についてコメントは控えているものの、「チームが再び成功を収めるためのプログラムの一環として、技術部門の見直しを行っている」とコメントしたという。

「組織全体において幅広くさまざまな要素に対応するための積極的なプロセスが進行中だ」とスポークスマンは語った。

「詳細については改めて発表する予定だ。それまではこれ以上申し上げることはない」

 ゴスは1990年からマクラーレンで活躍、シャシーの技術面を監督する役割を果たしてきた。最近の体制では、ゴスは、空力担当チーフテクニカルオフィサーのピーター・プロドロモウ、チーフエンジニアリングオフィサーのマット・モリスと共に、デザインチームを率いていた。

 トップグループに復帰することを目指すマクラーレンは、昨年末でホンダと袂を分かち、今年からルノーのパワーユニットを搭載している。序盤3戦でチームは28点を稼ぎ、ランキング4位につけてはいるが、マシンパフォーマンスはチームが期待していたレベルにはなく、メルセデス、フェラーリ、ルノーを搭載するレッドブルとの差は非常に大きい。

 BBCによると、今季マシンのパフォーマンス不足を見てマクラーレン首脳陣はマシンデザイン部門に大きな問題があるとの考えに至ったという。

 プレシーズンテストでトラブルが連発し、開発が遅れたため、マクラーレンの「真の2018年型マシン」の導入は遅れ、これが登場するのはスペインGPになる見込みだ。マクラーレンのマシンは直線スピードが遅く、ドラッグが非常に大きいという問題点を抱えているものとみられており、スペインでの大型アップグレードがどのようなパフォーマンスを見せるかに注目される。

 4月上旬にはマクラーレン・グループが大規模な組織変更を行い、グループのエグゼクティブディレクターを務めたザック・ブラウンが、マクラーレン・レーシングのチーフエグゼクティブオフィサーに任命され、F1活動を直接監督する立場になった。

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