時代のヒーロー 多彩な表現で 28日から横須賀美術館で企画展 横須賀市

 歴史や神話に登場する英雄や豪傑たち。その伝説や武勇伝が能や歌舞伎などで語り継がれる中で、美術の世界ではこれをテーマに絵画や立体作品への挑戦も続いた。

 横須賀美術館で4月28日(土)から催される企画展は「集え!英雄豪傑たち」。江戸時代に爆発的な人気を得た歌川国芳の「武者絵」と呼ばれる浮世絵や近代日本画を中心に約120点を展示する。会期は6月17日(日)まで。作品の入れ替えがあり5月25日(金)から後期となる。

歴史好き必見

 スサノオノミコト、源義経、武蔵坊弁慶、楠木正成、武田信玄、上杉謙信など名だたる英雄・豪傑。これらの描写は、力強さやカッコよさといった一面だけではない。明治以降は「歴史画」として戦争の気配が近づくと士気を高めるための意義や性格に変化していった。時代に求められた表現や人々からの憧れを映し出すものでもあった。

 展示には、横須賀ゆかりの作品もある。走水の地に縁のあるヤマトタケルノミコトとオトタチバナヒメ、衣笠の合戦と三浦大介義明など、地元の身近な歴史の一端にも触れることができる。

甲冑・兜の造形美

 英雄たちを勇ましく引き立てるのが、甲冑や兜。武士の「正装」であり、日本人の独特な感性と美意識を表現しているもの。会場では、変わり兜を中心に、その造形美を間近に感じることができるほか、甲冑を纏った立体作品を手掛ける現代アーティスト・野口哲哉氏の展示もある。

武士の姿に変身

 実際に甲冑を身に着けることもできる。5月4日(金)・5日(土)・27日(日)は「横須賀開国甲冑隊」の協力で着付け体験を行う。所要時間は1人約10分、写真の撮影が可能で、午前11時から午後4時。同館ワークショップ室で受付(要観覧券)。

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