ステロイド処方、慰謝料増で和解 患者と山口医院管財人

 横浜市都筑区の山口医院(破産手続き中)が処方したアトピー性皮膚炎の塗り薬に強いステロイド成分が含まれていた問題で、被害弁護団は27日までに、破産手続きの決定に異議を申し立てた患者7人と破産管財人との間で争われた訴訟について、東京高裁で和解が成立したと発表した。塗り薬と健康被害の因果関係が一部認められ、従来は一律10万円とされた慰謝料が6人は30万円に、1人は80万円に増額された。和解成立は26日付。

 弁護団によると、東京地裁で行われた破産手続きでは2600人超の患者が債権者として届け出て、一律10万円の慰謝料が債権として認められた。しかし、損害の正しい評価を求める7人は2016年5月、管財人を相手取り異議を申し立てる訴訟を起こした。

 今回の和解成立で、山口医院に関する破産事件はすべて終了した。医院からの回収額が少ないため、配当金は認定された債権額の約4割になる。

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