平成の新しい風感じて 有田焼の窯元・深川製磁 29日から陶器市

 有田焼の名門窯元、深川製磁(佐賀県有田町、深川一太社長)は29日~5月5日の「有田陶器市」に合わせ、チャイナ・オン・ザ・パークや同社本店などで陶器市を開く。明治期の陶磁器を再現しようと、同町の人間国宝、井上萬二さん(89)の協力を得て制作した花瓶もパーク内の忠次館で展示する。
 明治期に創業した。原点に立ち返り、有田焼の未来を見詰め直す思いで、深川社長が、井上さんに花瓶制作を提案した。井上さんが成形した花瓶に、同社の伝統工芸士らが絵付けし、約1年で完成。深川社長は「奇跡の出来栄え。単なる明治のコピーでない平成の新しい風を感じてほしい」と話した。
 陶器市では、パークの開設30年を記念し、創業者の深川忠次と江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎に焦点を当てて制作した器などを展示販売する。

制作した花瓶を前に思いを語る(右から)深川社長と井上さん=佐賀県有田町、チャイナ・オン・ザ・パーク

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