メクル第269号 レゴブロックで未来の長崎表現

 世界中の子どもたちに愛されているおもちゃ「レゴブロック」で、未来の長崎を表現(ひょうげん)しよう-。そんなイベントが15日、長崎市立山1丁目の長崎歴史文化博物館で開かれ、3歳(さい)から小学6年生までの計200人が参加しました。レゴブロックは、デンマークのおもちゃメーカー「レゴ社」の組み立てブロックのことです。
 レゴブロックで世界遺産(いさん)を表現する展覧(てんらん)会「PIECE(ピース) OF(オブ) PEACE(ピース)」(7月21日~9月2日、同館)のPRイベント。東京にあるレゴブロックのテーマパーク「レゴランド・ディスカバリー・センター東京」で“レゴ職人(しょくにん)”として活躍(かつやく)する大澤よしひろさんが先生役をつとめました。
 大澤さんは組み立てるこつについて「一番見せたいところ、かっこいいところを先に作る」「いろいろな角度から見ながら作る」とアドバイス。子どもたちは教会や城(しろ)、灯台などの写真を参考に、未来に残したい長崎の風景を、思い思いに表現しました。作品は展覧会会場にかざられる予定です。
 観光客でにぎわう眼鏡橋(めがねばし)を作った長崎市立上長崎小2年の井手蒼大(いでそうた)君(7)は「いつもたくさんの人が集まっていて、大好きな場所」、原城跡(はらじょうあと)に挑戦(ちょうせん)した同市立諏訪(すわ)小5年の廣山日和(ひろやまひより)さん(10)は「初めて見るパーツがたくさんあって、楽しかった」とうれしそうでした。世界遺産の勉強会もあり、佐世保(させぼ)市立大塔(だいとう)小5年の戸田爽太郎(とだそうたろう)君(10)は「世界遺産のことをもっと大切にして、未来の孫やひ孫にも伝えたい」と話していました。

たくさんのレゴからパーツを選ぶ子どもたち=長崎歴史文化博物館
「これからもレゴでいろいろ作ってほしい」と語る大澤さん(右)

 ◎教えてくれた人 日本ユネスコ協会連盟事務局 青山 由仁子(あおやま・ゆにこ)さん/世界遺産(いさん)について学ぶ機会も

 世界にはいくつの世界遺産(いさん)があると思いますか。答えは「1073」。遺跡(いせき)や歴史的な建物が対象の「文化遺産」が832件(けん)、自然環境(かんきょう)に関する「自然遺産」が206件、どちらの要素(ようそ)もある「複合(ふくごう)遺産」が35件です。日本では屋久島(やくしま)(鹿児島(かごしま)県)、原爆(げんばく)ドーム(広島県)など21件が登録されています。
 長崎県関係では2015年に「明治日本の産業革命(かくめい)遺産」が文化遺産に登録されました。そして「長崎と天草地方の潜伏(せんぷく)キリシタン関連遺産」について、今年の夏にバーレーンで開かれる国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会で登録されるかどうかが決まります。
 宗教(しゅうきょう)や民族のちがいをこえて、世界中の国で協力して遺産を守っていく。それが平和につながっていきます。登録された遺産は、世界遺産になったからすごいのではなく、昔から地元で大切に守られてきたもの。みなさんにも、身近にある未来へ受けついでいきたいものを、大切にしてほしいです。

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