Jリーグと日本代表にも!「実はバスク人だったサッカー選手」

本日23時15分キックオフ予定のラ・リーガ第35節、レアル・ソシエダ対アスレティック・ビルバオの「バスクダービー」。

彼らが拠点とするバスク地方はカタルーニャと並んでスペインの中でも特に独立心が強く、両クラブもかつてバスク人の純血主義を掲げていたほど(ビルバオは現在も一部継続)。彼らの民族意識の高さは広く知られており、それが熱さの源となっていることは否定できない事実である。

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今宵もおそらくは激しい戦いが繰り広げられるはずだが、そんな「世界で最も熱狂的なダービー」の一つが行われるのを前に、「実はバスク人なのにそれがあまり知られていない」かもしれない選手たちを特集しよう。

「フランス代表のバスク人」

ビセンテ・リザラズ

ディディエ・デシャン

バスクというとスペインの印象が強いかもしれない。しかしピレネー山脈を跨いでスペイン・フランス両国に存在しており、フランス側を「北バスク」、スペイン側を「南バスク」などとも呼称する。

ルイス・フェルナンデス時代に同国の選手として初めてビルバオと契約を結んだビセンテ・リザラズはこの種の話では有名だが、現在レ・ブルーを率いるディディエ・デシャンも北バスク地方の出身である。

他にサンテティエンヌの絶対的な守護神ステファヌ・ルフィエもこの地方出身のフランス代表経験者だ。一方、元ソシエダのグリーズマンや元ビルバオで現シティのラポルトは、幼少期にバスク地方に居住したというだけで厳密にはバスク人ではない。

「黒いバスク人」

ホナス・ラマーリョ

イニャキ・ウィリアムズ

「実は~」という枠に入れるのも失礼な話だが、彼らは有色人種でありながら純血主義のビルバオでプレーする(した)選手である。

ビルバオに加入する条件をおさらいしよう。

1. 両親、もしくは直系の先祖がバスク人であること
2. 本人がバスク地方の出身者であること
3. 本人が幼少期にバスク地方へ移住し、ユース以下の年代にバスクのクラブでプレーしていること

ラマーリョは父親がアンゴラ人、母親がバスク人でバスク地方に生まれた。つまり1、2番に該当していたことでビルバオへの加入が認められ、クラブ初の褐色の選手となった。

一方、イニャキはガーナとリベリアの混血であるが3番の条件を満たしており、クラブ初の純粋な黒人選手となった。彼は以前、「ルーツを忘れたことはないけど僕はここに生まれ、ここで20年育ったんだ。自分はバスク人だと思う」と語っている。

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「Jリーグでプレーしたバスク人」

フリオ・サリナス

アイトール・ベギリスタイン

日本が近代化に舵を切った明治維新から今年で150年だが、西洋の文明がもたらされたのは16世紀のこと。イエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルやイグナチオ・デ・ロヨラなどは、日本人なら誰しもが義務教育で覚える名前であろう。

ただ彼らがバスク人だったことはあまり知られていないかもしれない。それと同様、Jリーグでプレーした数えるほどのスペイン人の中で有名どころは実はバスク人だったりする。

1997-98年にマリノスを率いたハビエル・アスカルゴルタは自身がバスク人だったこともあり、スペイン代表の経験を持つフリオ・サリナス、ヨン・アンドニ・ゴイコエチェアという2人のバスク人をチームに呼んだ。

また、ヨハン・クライフが率いたドリームチーム(バルセロナ)の一員で、1997-99年に浦和レッズでプレーしたチキことベギリスタインもバスク人だった。彼は現在マンチェスター・シティのディレクターを務めており、ラポルト獲得にも関わっている。

ちなみにセレッソ大阪でプレーした元ウルグアイ代表のディエゴ・フォルランは母方の祖母がバスク人で、ビルバオへの加入を噂されたこともある。

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「外国の代表に入ったバスク人」(フランスを除く)

ハビエル・アギーレ(メキシコ)

セルヒオ・ゴイコチェア(アルゼンチン)

スペインからの移民を中心に構成される中南米にはバスク系も多く、彼らはだいたい"El Vasco"(=バスク人)の愛称を持っている。

1986年ワールドカップのメキシコ代表で、今月解任されたヴァイッド・ハリルホジッチ氏の前に日本代表の指揮官を務めたハビエル・アギーレ氏も両親がバスコからの移民であった。

また、(マリノスのほうと似ていて紛らわしいが)1990年ワールドカップで守護神プンピードの負傷を受けアルゼンチン代表のゴールマウスを守ったセルヒオ・ゴイコチェア。PKに無類の強さを見せた彼は、同大会で決勝進出の立役者となっている。

他にビジャレアルなどでプレーした元アルゼンチン代表DFロドルフォ・アルアバレナ、ベネズエラ代表のDFフェルナンド・アモレビエタなどもバスクの姓を持ち活躍した代表選手である。

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