西武、高卒1年目野手が打率3割越え ファームで牙を研ぐ若獅子たち

西武・斉藤彰吾【写真:編集部】

1軍のチーム打率は12球団トップの.285

 現在、パ・リーグ首位を突っ走る西武。その躍進を支えているのは、間違いなくリーグ屈指の打線だろう。4月28日終了時点で現在、チーム打率は12球団トップの.285を誇り、スタメンには3割打者がずらりと並ぶ。

 不動の1番に5ツールプレイヤー、2番にミスター・三塁打、3番に絶好調のキャプテン、4番に打点王・本塁打王。捕手までもが打率2割9分~3割以上をマークしており、どの打順からでも得点を狙える攻撃力は脅威だ。ただ、打撃好調の選手がいるのは1軍だけではない。

 実は、ファームには規定打席に到達し、打率が3割を超えている選手が3人もいる。金子一輝内野手、西川愛也内野手、斉藤彰吾外野手だ。今回は、この3人について紹介したい。

 まずは金子一。西武の「金子」と言えば、金子侑司選手を最初に思い浮かべるかもしれない。実際のところ金子一は、プロ5年目でまだ1軍の舞台を経験していない。

 ただ、憧れの舞台に向かうための階段は着実に上っている。昨季、イースタン・リーグでは103試合に出場した。今季は4月27日終了時点で打率.376を記録するなど開幕から好調を維持し、打率ランキングトップに君臨中。まだ内野守備には粗さが目立つものの、三塁手の中村が抹消されたこともあり、念願のデビューに向けて追い風は吹き始めている。

高卒ドラ2ルーキー・西川は打率3割を越える

 次に、ドラフト2位ルーキー・西川だ。夏の甲子園を制した花咲徳栄高時代から高い打撃センスを見せ付け、その身にかかる期待も大きかった。しかし、西川の可能性は我々の想像を軽々と超えてきた。2軍デビュー戦となった3月18日の巨人戦でいきなりプロ初安打を放つと、以降も調子を落とすことなく安打を量産。4月27日終了時点で、打率はリーグ6位タイの.324を記録している。高卒1年目の19歳としては、文句のつけようのない活躍と言えるだろう。

 ただ、高校時代の大ケガの影響で指名打者での出場が続いている。焦ることなく、大きく成長していってもらいたいところだ。

 最後に斉藤選手を紹介したい。2015年には1軍で103試合に出場した斉藤選手だが、1軍レギュラーの座はまだ手にできていない。ただ、来るべき時に向けて準備は万端。今季は、課題とされてきた打撃でも4月27日終了時点でイースタン・リーグ2位の打率.353を記録している。

 1軍の外野手には秋山をはじめ、外崎、栗山など球界屈指の好打者が揃うが、シーズンを通して全員が万全の状態を維持することは難しい。もしもの事態が起きたとき、好調の斉藤が控えていれば、チームは勢いを失わずに戦える可能性もあるだろう。

 現在1軍で4番に座り、異次元の打棒を見せ付けている山川もファームで結果を残し、1軍昇格後に大ブレイクを果たした。ファームの試合を気にかける機会は少ないかもしれないが、近い将来、西武を担うだろう若獅子にもぜひ注目してほしい。

(Full-Count編集部)

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