F1 Topic:前戦中国GPで失速したトロロッソ・ホンダ。バクーでも問題解決には至らず

 F1アゼルバイジャンGP、金曜日のセッション終了後、トロロッソのホスピタリティハウスでドライバーの取材をしていたら、ジェームス・キー(テクニカルディレクター)がエンジニアを引き連れて、入って来た。

 少し離れたところにあるテーブルを囲んで行われた彼らの話し合いは、ドライバーの囲み取材が終了しても、まだ続いていた。

 バーレーンGPで4位を獲得したトロロッソ・ホンダ。しかし、1週間後の中国GPで土曜日以降、苦戦が続いた。中国GPのレース後、チーム代表のフランツ・トストが「アゼルバイジャンGPまでにデータ解析を全力でやるように」と号令をかけた。

 それから2週間が経ち、バクーに来たホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、現在のチームの状況を次のように説明した。

「チームは(イタリア・ファエンツァにあるファクトリーで)データ解析をし、自分の弱点に関して、推定原因を導き出しました。ただし、その推定が本当に正しいのかどうかは、今回のアゼルバイジャンGPで確認したいのですが、バクーは上海とは異なる性格のコースなので、100%確認することはできないと思います。もちろん、いくつかの点では確認することができるので、そのへんを注意深く見ていきたい」

 中国GPではトロロッソが苦手とする中高速コーナーがあるセクター2で苦戦していたが、それ以外にもピエール・ガスリーは「セクター1も苦労した」と語っていた。

 田辺TDによれば、「1コーナーから2コーナーにかけてフロントが入って行かず、3コーナーでは今度はトラクションがかからなかったようです。ドライバーは『マシンバランスがディスコネクト』と言っていました。いわゆる、曲がらないし、踏めないという状態でした」という。

 なぜ、このような状態に陥ってしまったのか? 田辺TDは上海のサーキット特有の問題があった可能性を否定しなかったが、それは「コースレイアウトだけでなく、風向き、路面のバンプなども考えられます」と説明した。

 上海とまったく異なるレイアウトのバクー・シティ・サーキットで行われた予選。トロロッソ・ホンダの2台は、Q1で不運なアクシデントに見舞われて、2台そろってQ1落ちしたものの、金曜日からペースが上がらなかった。その要因を田辺TDは次のように答えた。

「詳しいことはチームに聞いた方がいいと思いますが、(問題解決は)そう簡単なことではないと思います」

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