川崎・しんゆり芸術祭開幕 5月13日まで多彩な公演

 オペラやバレエ、演劇、能など多彩な芸術文化に親しむイベント「川崎・しんゆり芸術祭(アルテリッカしんゆり)2018」のオープニングパーティーが28日夜、川崎市麻生区の新百合トウェンティワンホールで開かれ、ボランティアや出演者、市民ら約310人が10周年を迎えた同祭を祝った。5月13日まで小田急線新百合ケ丘駅を中心に公演が続けられる。

 

 アルテリッカは、イタリア語で豊かな芸術の意。複数の芸術系大学や団体が集まる新百合ケ丘から、芸術文化を発信しようと2009年に始まった。市民らが実行委を組織し、会場整理やチケット販売などの裏方もボランティアが支えている。スタート時約20人だったボランティアは約200人に増加。その一人、松田肇さん(73)は「よく10年間続いたと思う。『きょうの公演はよかった』と言われるのが励みになる。20年、30年と続けば」と笑顔で話した。

 パーティーでは、協賛や出演などで支えた川崎信金や歌人の馬場あき子さんらの表彰も行われた。実行委員長の佐藤忠男日本映画大学名誉学長は「当初、10年持つとは考えなかった。ボランティアも増え、やはり街に必要にされている結果だと思う」とあいさつした。

 28、29日はオープニング公演として、同区の昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワで藤原歌劇団がオペラ「ラ・チェネレントラ」を上演。イタリアの作曲家ロッシーニのシンデレラストーリーで、多くの観客が楽しんだ。今後、人間国宝による能と狂言「友枝昭世と山本東次郎の至芸」(5月3日)、劇団民藝の演劇「SOETSU~韓(から)くにの白き太陽」(6日)などが行われる。

 問い合わせは、同実行委事務局電話044(952)5024。

藤原歌劇団が演じたオペラ「ラ・チェネレントラ」((c)公益財団法人日本オペラ振興会)

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