アキュラホーム、和紙と建具をつかった「変容する家」を発表

大型の手すき和紙に囲まれたリビングは、照明の効果などでさまざまな表情をみせる

 アキュラホーム(東京都新宿区)は4月28日、和紙作家の堀木エリ子氏がプロデュースした住宅「変容する家」を発表した。堀木氏が手掛けた手すき和紙を内装にふんだんに使ったほか、自由に動かせる建具で間取りをつくるという手法で、人生100年時代といわれるこれからの時代に求められる空間をつくりあげた。

 堀木氏は、「建築空間に生きる和紙造形の創造」をテーマに、東京ミッドタウンガレリアやパシフィコ横浜といった大規模建築物のアートワークや、世界的なイベントでの舞台美術などを手掛けるアーティスト。今回のプロジェクトは、「日常で使われてこその伝統」という同氏の思いに、アキュラホームの宮沢俊哉社長が共感し、同社の創業40周年記念事業の第1弾として実現した。堀木氏が住宅一棟を全面的にプロデュースするのは初めて。

宮沢俊哉アキュラホーム社長(左)と和紙作家・堀木エリ子氏

 モデルハウスは同社の神戸展示場(ABCハウジングコレクション神戸東)内に建設。ライフスタイルやライフステージに柔軟に対応するために、日本の伝統的な和紙と建具を取り込んだ。堀木氏のアイデアをもとに、社内の設計担当が形にしていった。宮沢社長は「坪60万円から提供していきたい」とする。

 モデルハウス1階のリビングには、15人の職人が1カ月間かけてすいたという大型和紙をはじめ、大小の和紙作品があしらわれている。仕込まれた照明の効果と相まって、柔らかな和紙の表情が生かされた空間に仕上がっている。

 2階は、移動や取り外しが自由な建具の機能を取り入れた間仕切りで空間を構成。生活に合わせて、自由にレイアウトできるようになっている。2階の間仕切りにも和紙が使われている。

構造は外周だけで担保し、間仕切りは建具のように自由に移動や取り外しができる

© 株式会社新建新聞社