BTCC:第2戦ドニントンもボクスホールが好調維持。ホンダ勢も表彰台に

 開幕の3ラウンドですべて異なる車種が勝利を挙げたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権はドニントンパークで第2戦が開催され、予選初ポールポジションの速さをみせたボクスホール・アストラBTCCのジョシュ・クック(パワー・マックス・レーシング)が、そのままオープニングラウンドを制し、見事にBTCC初優勝を果たした。

 開幕戦ブランズハッチのレース2で、シリーズ2年目の新鋭セナ・プロクター(パワー・マックス・レーシング)が初勝利を挙げた勢いそのままに、このレース間に開催された合同テストでも2台そろってトップ10を記録する好調さを見せていたワークス・ボクスホール勢。

 その速さをこのドニントンにも持ち込み、今度はクックがポールポジションからレースをスタート。しかし、シグナルが消えた瞬間にはセカンドロウに並んでいたクリス・スマイリー(ホンダ・シビック・タイプR)が素晴らしいスタートを決め、クックの前におどり出る展開に。

 それでも冷静さとスピードを失わなかったボクスホール・アストラは、オープニングラップの間にシビックから先頭のポジションを奪還すると、そのまま後続を引き離す力強いレースペースを披露。

 16ラップをミスなく走りきり、クックがうれしいBTCC初優勝をマーク。その背後では4番手から発進し、ボクスホールと同様にオープニングラップでスマイリーを攻略したチーム・ダイナミクスのルーキー、ダン・カミッシュ(ホンダ・シビック・タイプR)が、最終的にモーターベース・パフォーマンスのサム・トルドフ(フォード・フォーカスRS)を抑えきり2位表彰台を獲得。自身にとっても、そしてチーム・ダイナミクスの新型マシンにとっても今季初の表彰台となった。

 その後、カミッシュとポディウムを争ったトルドフのマシンは原因不明のトラブルからスローダウン。10周を過ぎたところでピットへと戻り、このレースで唯一のリタイヤに。代わって最後の表彰台となる3位には、メルセデスの若手エイデン・モファット(メルセデス・ベンツAクラス)が滑り込む結果となった。

 続くレース2は、13番グリッドからスタートしたポイントリーダーのトム・イングラム(トヨタ・アヴェンシス)が大躍進。レース1は多くの上位ドライバーがソフトタイヤを履く中、ハードをチョイスして13番手に終わっていたイングラムだが、温存しておいたソフトをこのレース2に投入すると、序盤からオーバーテイクに次ぐオーバーテイクショーを披露。

 3周目が終わる頃にはトップ6入りを果たすと、ハードを履くクックやカミッシュを次々と攻略。さらに同じ戦略を採用して、レース1ではトップスポットから脱落していたスマイリーのFK2シビックと好バトルを展開すると、ファイナルラップを前にした最終コーナーでこのホンダのマシンをオーバーテイク。

 見事にコンマ8秒のマージンをキープして、2018年最初の複数勝利ドライバーとなった。2位のスマイリーに続き、3位には開幕勝者のジャック・ゴフ(ホンダ・シビック・タイプR)と2台のFK2シビックが入り、トヨタ、ホンダと日本のマニュファクチャラーが表彰台を独占する形となった。

 そして夕刻開催となった最終のレース3は、リバースグリッドの5番手からスタートし、オープニングラップに発生したクラッシュの混乱に乗じて首位浮上を果たしたアダム・モーガン(メルセデス・ベンツAクラス)が、2016年以来となる優勝をマーク。2位にレース1勝者のクック、3位に同じくメルセデス・ユーザーのモファットが続いた。

 この週末のリザルトにより、トヨタ・アヴェンシスのイングラムは選手権リーダーの座をキープ。2位にモーガン、3位にクックという、フレッシュな顔ぶれが上位進出を果たしている。

 続くBTCCの第3戦は、5月18〜20日に先日合同テストの舞台にもなったシリーズ随一の高速トラック、スラクストンで開催される。

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