<隠れた名盤> 傳田真央『Eternal Best 2000-2018』 キレキレの歌唱から大人の女性へと深化

傳田真央『Eternal Best 2000-2018』

 2000年にメジャー・デビューした女性シンガーソングライターの初となるベスト盤。音楽通に支持されてきた彼女だが、本ベストとLIVEツアーをもって活動休止に入るという。

 CDの全16曲は、キレキレなダンスナンバーや高音が続く歌唱難易度A級バラードなどR&Bブームに乗り話題となった初期の7曲、ラグジュアリーなポップスが多い中期の6曲、そしてシンプルな歌唱や演奏にたどり着いた近年の3曲という編成。特に、大人の女性として歌詞の解釈が深化し、自ら多重コーラスも手掛けている中期の『Bitter Sweet』から『My Style』までの流れが秀逸で、今後、この辺りの再評価が進むのではと期待する。

 DVDは、MAO/d名義で歌手に徹していた時期のキュートなガール・ポップなど、5曲以上が、CDの方には入っていない。衣装やメイクがド派手な初期も面白いが、自然体でただ感謝を伝えるラストの『Best Friend Forever』も素直に心を打つ。本作を聴けば、結果に惑わされず、自分が幸せかどうか振り返ることができるはず。

(ユニバーサル・CD+DVD 3611円+税)=臼井孝

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