憲法本あれこれ

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 憲法について改めて調べてみようと、きょうの憲法記念日を前に思い立った。図書館の書架にはあふれんばかりの関連本。何から手に取っていいか迷ってしまう▲ニュース解説で人気の池上彰氏の「超訳 日本国憲法」。論議の焦点となる9条については「すべての戦争を放棄したという解釈と、自衛権は保持したという解釈がありえる」と整理。さすが、分かりやすい▲「日本国憲法 大阪おばちゃん語訳」というのもある。著者の谷口真由美氏は、9条2項について「軍隊とか戦力は持ちまへんで。ほんで戦争する権利は認めまへんで」とこてこて表現▲「世界でも有数の装備と能力を有する自衛隊を『戦力にあらず』と糊塗(こと)することは許されない」と書くのは、「憲法改正の論点」の著者、西修氏。軍の保持を明記した改正要綱を提示する▲お笑い芸人の太田光氏は、対談本「憲法九条を世界遺産に」で、「戦争していた日本とアメリカが、合作であの無垢(むく)な理想憲法を作った。血塗られた時代に人類が行った一つの奇蹟(きせき)」と語る▲戦後日本の体制を規定してきた日本国憲法、そしてその9条。著者の立ち位置はさまざまに違えど、一冊一冊に思い入れがこもる。百家争鳴のこの状態は、改憲の足音が聞こえる中、いつまで続くのか。それとも終わりが近いのか。(泉)