フラワーデザイン競技 念願の日本一に 日吉本町、小泉吉寿さん 横浜市港北区

満面の笑顔で優勝カップを手にする小泉さん

 8回目の挑戦が実を結んだ―。フローリストの日本一を決定するフラワーデザイン競技会「2018ジャパンカップ」(主催/一般社団法人JFTD・共催/花キューピット)が先月東京ビッグサイトで開催され、日吉本町在住の小泉吉寿さん((株)白楽花園)が見事日本一に輝いた。

 ジャパンカップは、花の祭典「フラワードリーム2018」内の競技の一つ。各都道府県の予選を勝ち抜いた約100人のフローリストが集う舞台だ。今年の競技方法は、まず持込み作品の予選で上位10人が決勝へ出場。決勝は、その場でテーマと花材が発表されるサプライズ方式の公開競技で採点。予選と決勝を合わせた得点で順位が決まる。

 予選の持込み作品のテーマは「古き良き日本文化 花でリディスカバリー」。小泉さんはテーマ発表された1月から3月まで作品の構想を練り、4月に入って一気に仕上げたという。「これまで7回挑戦したが、テーマを深く掘り下げた作品が上位入賞していることに気づいた。そのため今回は安易に「和」のアイテムを取り入れるのではなく、アイデア出しに時間をかけた」と話す。

 その結果、雨音を楽しむという日本の文化を表現することに。シッサスオバータという亜熱帯のつる性植物をロール状に巻いたり垂らしたりして、水たまりや水滴を、さらに棒状のアクリルパイプに水と花びらを入れてつりさげ、華やかに雨をアレンジしてみせた=右写真。この予選で約100作品から2位に選ばれた。決勝では競技30分前に自転車にアレンジする「風にのって」というテーマが知らされ、考えたのが「花でできた自転車」というイメージ。花と植物で自転車を埋め尽くすようにアレンジ、さらに自転車の疾走感も表現した=左上写真。この作品で審査員から1位を獲得。予選結果と合わせて優勝を決めた。「本当にくじけずやってきてよかった。重たい賞だけれど、この賞に負けないようこれからも頑張りたい」と当日壇上でスピーチした小泉さん。

 実は30年前に父も同賞を受賞。(株)白楽花園の社長である小泉徹さんだ。「父からは『奇跡だね』という言葉をかけられた」と笑う。「勝って競技をやめてしまう人も多いがまだ続けるつもり」と意欲を見せた。

決勝で1位を獲得した自転車のアレンジメント作品
予選で2位通過した作品

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