TVアニメ『お前はまだグンマを知らない』は本当に群馬あるあるネタなのか? 群馬県民に聞いてみた

(C)井田ヒロト・新潮社/お前はまだグンマを知らない製作委員会

5月現在『お前はまだグンマを知らない』がショートアニメ放送中だ。同作はウェブ漫画誌「くらげバンチ」(新潮社)に連載中の同名漫画が原作となっている。

4月よりスタートしており、アニマックスやギャオなどで配信中だが、地上波では地元・群馬県の群馬テレビでしか放送しておらず、いまいちローカル感がぬぐえない同作。しかし、ネットでたびたび取り上げられる「グンマー」ネタが実際にあるものなのか確認するには絶好の作品ということで、都内在住で幼少期を群馬で過ごしたライターのS氏に同作のネタがどれだけ県民にとって「あるある」なのかを聞いてみた。

まず第1話で主人公・神月紀が、グンマに引っ越す際に自動で開かないドアと、高崎線の籠原駅で車両が5両切り離されることに困惑するシーンについてだが、これは作品の誇張もなく事実なのだとか。

「冬場とか夏場は中の空気を逃がさないために、『開く』のボタンを押さなくちゃいけないんだよ」と明かす。ちなみに昔はボタンもなく、手動で開けていたそうだ。籠原で前方5両の車両を切り離すのはもう定番らしく「知らない人は他の人の動きに合わせれば大丈夫。周りが座ったままならその車両は高崎駅までいく車両だから。ただ、“籠原止まり”という電車もあるので注意」だそうだ。なお、群馬県に近づくとヤンキー口調の客が増えるのもあるあるらしく「『あ、帰ってきたな…』って思うよ、さすがにウンコ座りはしてないけど」とのことだった。

第2話では、転校初日に神月が「起立・注目・礼」の洗礼に会い、クラスメートから激しい追及を受けるが、起立の後に注目があるのは群馬では当たり前のことで、「むしろ『ないの!?』と思った」くらいだ。なお、どこに注目するかについては、「たぶん群馬県民に聞いても人によって意見は違うだろう」と話していた。一体何に群馬県民は注目しているのか?

そして第3話では「上毛かるた」という県民でしか絶対にわからないネタが飛び出す。群馬県では、同かるたで、小学生の大会もあり必ず一度は大会予選に、半ば強制的に参加させられるらしい。「アニメでも扱っていた『つる舞う形の群馬県』は絶対みんな知ってると思う」。

他にも「歴史に名高い新田義貞」とか「ぶんぶくちゃがまの茂林寺」など、全国的にそれなりに知名度の高い人物や、昔話を扱った札もあるらしい。

ちなみに、同作のドラマ版でBOOWY、BUCK-TICK、back numberの群馬出身の有名バンドを「群馬の3B」と指すというネタがあったがその件につていては「聞いたことない。BOOWY、BUCK-TICKは昔から有名だったけどback numberは最近のバンドだからね、今は言ってるのかも!?」とのことだった。なお、おそらくアニメでも語られることになるであろう冬場の群馬のからっ風(北風)については「あれは風じゃない、突風。向かい風で自転車とかだとくじける。道民の人だって寒いというくらい強烈」と話す。

他にも、アニメとは関係ないが、高崎市や前橋市など都市部出身の人の中には「(タレントの)中山秀征と井森美幸が、過度に群馬を田舎だとアピールしている。(女優の)篠原涼子みたいにもっといいPRをして欲しい」と恨み節に語る人も一定数いるらしい。今後アニメでどんな「グンマー」ネタが飛び出すのか、ぜひチェックしてもらいたいところだ。(雅楽次郎)

*画像参照 TVアニメ『お前はまだグンマを知らない』公式ツイッター @omagun_anime
https://twitter.com/omagun_anime/media
(C)井田ヒロト・新潮社/お前はまだグンマを知らない製作委員会

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