メクル第271号 白熱!ペーロン大会 長崎・橘中の伝統行事を見てきたばい!

 「ヨーイサー!」の掛(か)け声にドラと太鼓(たいこ)の音。そう、長崎の夏といえばペーロンたい! 長崎市内では夏になると、海の安全や子どもの成長を願う大会が各地でありよるけど、市立橘(たちばな)中(八重石幸博(やえいしゆきひろ)校長、482人)はクラス対抗(たいこう)のペーロン大会ば毎年開きよるとげな。牧島町の臼(うす)の浦(うら)漁港まで応援(おうえん)に行ってきたばーい。

かいの動きを合わせる生徒たち=長崎市、臼の浦漁港

 クラス対抗のペーロン大会は1991年に始まり、今回で28回目。八重石校長(59)によると、「みんなで力を合わせることの大切さを体で理解(りかい)し、新しいクラスの絆(きずな)を強める」のがねらいなんだって。海での事前練習はしとらんって聞いたけど、大丈夫(だいじょうぶ)…?

大塚魁(おおつかかい)大会実行委員長(3年)「教室にいすを並(なら)べて、こぎ方の練習をしてきました! 3年生が1年生の指導役(しどうやく)で、声出しの大切さなどもアドバイスしました」

 なるほど~。ぶっつけ本番ならみんな条件(じょうけん)は同じやね。26人のこぎ手とドラ、太鼓は生徒。ほかにかじ取りの大人と担任(たんにん)の先生の計30人が乗りこみ、往復(おうふく)800メートルのコースで競います。予選は学年別で2レースを行い、合計タイムで1位のクラスが決勝に進むとよ。

 第1レースで感触(かんしょく)をつかみ、決勝進出がかかる第2レースに向けて、綿密(めんみつ)な作戦会議をするクラスも。4秒差を追う1年4組の生徒が手にしていたのは、ピンク色の「ペーロンお守り」。こぎ手の経験(けいけん)がある担任の森宏明(もりひろあき)先生からの“極意”が書かれとったよ。各クラス、円陣(えんじん)を組んで心を一つに。特に3年生の円陣は気合の入っとったね。

3年生の円陣(えんじん)気合入りまくり
いざ出陣!

 予選を通過(つうか)したのは1年1組、2年5組、3年1組。二つの保護者(ほごしゃ)チームも加わり、いよいよ決勝戦。みんな、がんばれ~! いっそう大きな掛け声でリードしたのは3年1組。折り返した後半もスピードが落ちることなく唯一(ゆいいつ)4分台をたたき出し、文句(もんく)なしの総合優勝(そうごうゆうしょう)! 4月に福岡(ふくおか)市から転校してきた遠藤菊乃(えんどうきくの)さんは「初めてペーロンをやってみて、団結力(だんけつりょく)が強くなったと思う」と優勝を喜んどったよ~。

 大会をふり返り、1年の本田千河(ほんだちか)さんは「最後にペースが落ちてしまったから、声を出して踏(ふ)んばれたら良かった」、2年の有馬周平(ありましゅうへい)さんは「筋(きん)トレをして体力をつけて、3年生では優勝したい」と早くも来年に向けて闘志(とうし)を燃(も)やしとったよ。一気にクラスの結束を強めた生徒たち。楽しい一年間がすごせそうやね。中学生の部で2連覇(れんぱ)中の長崎ペーロン選手権(せんしゅけん)大会もがんばってね~。

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