ホークス工藤監督、大台王手で足踏みの内川に気遣い「犠飛も変わらない」

ソフトバンク・工藤監督【写真:藤浦一都】

9回は味方がつないで打席回すも…「最後の1本の難しさというところですかね」

 6日、ソフトバンクは2-5でオリックスに敗れ、2週連続でこのカードに負け越した。2000本安打に王手をかけていた内川聖一も5打席で3打数ノーヒットに終わり、記録達成は8日以降に持ち越しとなった。

 ゴールデンウィークの最終日、ヤフオクドームを埋めた満員のファンが期待したのは、もちろん内川の大記録達成だ。4打席目までノーヒット。9回もほぼ打席が回らないと思われたが、2死から高田知季、今宮健太、柳田悠岐が懸命につなぎ打席を回した。一発が出れば逆転サヨナラ、間を抜ければ同点という場面で、打球はライトの右へ。ヒットコースと思われた強い打球は無情にも直接ロメロのグラブに収まった。

 工藤公康監督も「いい場面でしたね。何とかみんながつないでね…。ボクはバッターじゃないので最後の1本というのはなかなかわからないところがあるんですけど、最後の1本の難しさというところですかね」とつぶやくように語るのが精一杯だった。

 第3打席では一時は同点に追いつく犠牲フライを放って、4番としての役割もきっちり果たした。それでも「そういったところはやってはくれているんですけど、本人にとっては犠牲フライもいいけど1本(ヒットが)ほしいところじゃないですか。チームにとってはそれ(犠飛)もヒットと変わらないんですけどね」と指揮官は苦しむ内川を気遣った。

ゴールデンウィークは5勝4敗「両極端出てしまった」

 一方、投手陣はオリックスに5本のソロ本塁打を献上。先発の中田賢一はリズムも制球もよかったが、結果的に4被弾を許した。

「その辺ですね。やっぱり何か防ぐ方法はあるはずなんですけど、それができていないってところがあるんじゃないですか。『打たれるな』ではなくて、あまりにも(被弾が)多すぎる。そこは低めへの意識なのか 攻め方なのかというところはあるけど、もう少し考えてもらえれば」と渋い表情で淡々と語った。

 また、この試合では市川友也が移籍後初のスタメンマスク。そのリードについては「ベンチから見ていても意図が見えるいいリードでした。これだけ三振が取れるということはバッターの意図しない球を振らされているかということだと思いますし、ホームランについてはピッチャーの失投だろうと思います」と大きな評価を与えていた。

 ゴールデンウィーク9連戦は5勝4敗とかろうじて1つの勝ち越し。しかし、オリックスには2カード連続で負け越す結果となった。「すごくいい試合もあるし今日のような試合もあって、両極端出てしまった。もっと安定して戦っていかないとね。先発ピッチャーが後半疲れてくるところであとひと踏ん張りしてほしい」と注文をつけた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

© 株式会社Creative2