杉田電線、「カーボンナノチューブ線材」本格生産へ設備増設し能力5倍に

 杉田電線は2018年内をめどにカーボンナノチューブ線材の生産能力を約5倍に高める。現在の生産能力は月間約1千メートル。すでに量産技術を確立しておりパイロット設備を使って量産をはじめるが、新規の事業展開を加速させるため本格生産に向けた大型設備を導入する。投資金額は数億円の見込み。

 カーボンナノチューブ線材は岩槻本社工場で製造している。製造設備は同社のさまざまな知見を導入しカーボンナノチューブ専用機として設計。材料の合成から線材加工までを一貫して行うものとなっている。

 新設備は大型基板の上にカーボンナノチューブを合成するもので生産性が非常に高い。自動化の技術も導入する予定で、製造設備の増設によりカーボンナノチューブ線材の製造能力は現行の3~5倍となる。

 同社は1953年の創業で建設用電線や耐熱電線、自動車用電線など銅電線を幅広く製造。岩槻本社工場のほか栃木県足利市に足利工場を有している。従業員は約90人で、売り上げ規模は約13億円。カーボンナノチューブ線材の研究開発は新規事業として、4年前か産学連携で取り組んできたテーマとなっている。

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