日本銅学会(会長・柴田光義古河電工会長)は2018年度の研究助成テーマを決定した。同学会では銅および銅合金に関する研究開発の促進を目的として、学界や公設研究・試験機関に研究助成を行っている。今年度は15件のテーマが新たに採択された。助成期間は2年間で、助成額は年間30万円となっている。採択テーマと応募者は次の通り。
▽塑性変形した銅合金中の残留応力の三次元的解析・東北大学鈴木茂教授
▽ハイエントロピー黄銅の開発・大阪大学永瀬丈嗣准教授
▽析出硬化型銅合金の強圧延によるヘテロナノ組織形成に及ぼす初期組織の影響・金沢大学渡邊千尋教授
▽Cu―Zn合金の応力腐食割れに及ぼす結晶粒径の影響・同志社大学宮本博之教授
▽有機酸環境下における銅の腐食メカニズムに関する研究・室蘭工業大学境昌宏准教授
▽Cuメッキ超粘性流動合金粉末によるネットワーク組織を持つ高強度・高導電性Cu合金複合材の創成・東北大学謝国強氏
▽銅製錬副産物を原料とした鉛代替放射線遮蔽材料の開拓・福島工業高等専門学校羽切正英氏
▽Cu―Ag―Zr合金におけるAgおよびCu4AgZr金属間化合物の析出挙動とその力学的性質への影響・東京工業大学小林郁夫准教授
▽鉛フリー銅合金の切削加工シミュレーション技術の検討・静岡大学酒井克彦氏
▽大電流負荷に対するプレスフィット端子の接触抵抗および界面組織変化・大阪大学福本信次氏
▽銅合金の抗菌性能を維持する清拭条件の検討・大阪市立大学川上洋司氏
▽銅および銅合金の殺菌標的部位の探索に関する研究・北里大学笹原武志講師
▽冷間圧延後に温間圧延を施したCu―30%Zn合金焼鈍板の再結晶集合組織とヤング率・大阪府立大学井上博史教授
▽種々の超微細結晶粒銅固溶体合金の耐熱性評価と低温焼鈍硬化機構の究明・金沢大学國峯崇裕助教
▽極低温・高速圧延による銅合金板の材質制御・大阪大学宇都宮裕教授