【ブログ】“スパウェザー”皆無の暑い週末。ドライバーたちの勝負魂も熱かった!/WECスパ現地ルポ第2回目

 WEC開幕戦の舞台、スパ・フランコルシャンからメカ、ハコ車&スポーツカーマニアの“変態カメラマン”、鈴木紳平がWECスパ現地情報をお届け。第2回目となるの今回は、木曜の練習走行日から決勝日までの3日間をマニア独自の視点からお伝えします。本人がどう言おうと、とにかく寛大なお気持ちで、ごゆるりとご鑑賞下さい。

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日本の皆さまいかがお過ごしでしょうか。

トヨタのワン・ツー・フィニッシュに終わった2018/19世界耐久選手権“スーパーシーズン”開幕戦スパ・フランコルシャン、いかがでしたでしょうか。

いろいろあった開幕戦、走行開始の木曜日からを振り返るブログ2回目を月曜日のスパ市内から張り切ってお届けしたいと思います。

 開幕戦スパ・フランコルシャンは土曜日決勝のため、木曜日から走行開始です。

 まずは朝10時から開幕戦恒例の全ドライバー集合写真が行われます。場所はオー・ルージュなのですが、WECのオフィシャルカメラは高所作業車に乗車して上から撮影するため、まったくオー・ルージュ感がありません。

 さて、そのオー・ルージュですが、フリー走行で恒例の写真を撮ります。この写真を撮る時は、少し屈みながらガードレールに寄りかからないように撮影しますが、車両が通過すると風圧でガードレールが揺れ隙間からは結構な風が吹き抜けます。ただ、マシンが背中を向けてるせいか車両との距離は近かったりスピードは速かったりするのですが、あまり怖くはありません。
 
 皆さまもチャンスがあったら1回体験しておくと良いと思います。この場所で走りを見るとドライバー達の魂を感じ取れ、心から彼らをリスペクトすることができます。

 金曜日のフリー走行3回目です。このセッションではとうとうLMP1プライベーターに1位を示すランプが灯りました。燃料搭載量でのタイム差や、メニューの違いがあるというのは重々承知していますが、やはり興奮します!

 さて、その金曜日のフリー走行前ですが、ピット裏で村田久武TMG社長と遭遇です。村田さんの「お前のサングラス、カッコイイやん。ちょっと交換してみよう」という一言で私、村田さんが(沼津に購入し)2012年から着用されているという、あの伝説のトリコロールカラーの眼鏡を掛けさせて頂きました。
 
 あまりの度の強さでフリー走行中頭痛が止むことはありませんでしたが、貴重な経験をさせて頂きました。村田さん、ありがとうございました。
 
 ルマン24時間で勝利されたら当方使用の同型の新品をお祝いとしてプレゼントさせて頂きたいと思います(度付きにできるかは分かりませんが)。

 さぁ予選です。オー・ルージュ外側へやって参りました。ここはカメラホールはありますが、お客さんエリアなので競争率高しです。

 毎年早めに行くのですが、今年は予選開始1時間半前に到着です。しかし、その時にはもう場所は一人分しかなくギリギリセーフといった感じでした。
 
 写真は予選開始1時間前です。走行中はもの凄い人だかりになります。

 その予選ですがLMP1プライベーター、ドラゴンスピードの10号車BRエンジニアリングBR1・ギブソンをドライブしていたピエトロ・フィッティパルディさんがクラッシュしてしまいました。
 
 フリー走行から危なっかしい挙動のBR1でしたが、やはりこういった結果になってしまいました。決勝でも大きなクラッシュを起こしてしまったBR1、ル・マン24時間がとても心配です。
 
 ジェンソン・バトンさん、どうするんでしょうか。また、クラッシュを喫したピエトロ・フィッティパルディさん、早く良くなってまたオー・ルージュへ挑戦して頂きたいと思います。

 ちなみに、ドライバー救出作業とともにタイヤバリアの復旧も同時に行われます。傷んだタイヤバリアはカセット方式で交換され、あっという間に復旧されます。慣れた作業なのかもしれませんが作業員はヘルメットも被らず、素手で作業していたりします。

 そんな予選中、わたくし誠に勝手ながら『第1回オー・ルージュ進入壁寄せ選手権』を開催しておりました。

 LM-GTEクラスの優勝者はクリアウォーター・レーシング、61号車フェラーリのマット・グリフィンさんに決定です。ファインダー越しに見ながら思わず声が出ます!

 続いてLMPクラスです。こちらは8号車トヨタのフェルナンド・アロンソさんやLMP2クラスのシグナテック・アルピーヌ・マットムートのニラコス・ラピエールさんも頑張っていましたが、優勝者はそのラピエールさんのチームメイトで36号車アルピーヌをドライブするピエール・ティリエさんとなりました。
 
 両クラス優勝者の皆さま、おめでとうございます! 残念ながら賞金、賞品、トロフィーなどはありませんが、その勇気とドライビング技術に乾杯です。

 予選も終わりパドックへ帰ってきましたが、向こうから何か変な奴が歩いて来ます。頭に蚊取り線香みたいのが乗っかってますが、どうやらここ、スパ・フランコルシャンのイメージキャラクターの『Ready君』のようです。
 
 そのReady君、年齢不詳らしいですが中のヒトは25歳だとの訳の分からない説明を頂きました。トヨタのクマ吉はまったく言葉を発しませんが、こちらのReady君はよく喋ります。

 これが素の『Ready君』です。これがどういうわけか、ああなってしまいます。

 愛想を振りまくReady君ですが、背中側はだいぶん雑な感じです。お客さんの笑顔も微妙な感じに見えます。スパ・フランコルシャンと鈴鹿サーキットは姉妹関係ですから今年の鈴鹿10時間レースでの来日を期待したいところです。

 決勝日朝のピットウォークが始まりました。こちらはチームオーナーさんにのっぴきならない事態が発生し、スパ戦からの撤退を余儀なくされたマノー・
ジネッタさんです。店じまいオーラが半端ありませんがこの先どうなってしまうのでしょうか……? チームは優秀なだけに勿体ない感じがします。

 そして私が気になったのが今年からLM-GTEプロクラスに参戦しているBMWチームMTEKのベルトポール・パーテーションです。洗練されたデザインでちょっと欲しくなります。

 さあ、決勝レースです! 今年はオー・ルージュを立ち上がった先、ケメル・ストレートエンドで撮影です。リカルド・ゾンタさんを一躍有名にしたストレートですね。
 
 フォーメーションラップが始まりましたが、このシーン撮影中、脳内では『西部警察』のメインテーマが流れています。

 こちらは2回目のセーフティカー後のアロンソ様です。国際映像でもオンボード映像付きでバッチリ映されていましたが、LM-GTEの大集団を片輪コース外走行でぶち抜いて行きます。

 F1ではいろいろ言われているようですが流石です。ただし、これをル・マン24時間でやるのはお勧めできません。

 アロンソ様の走りも熱かったですが、決勝日の気温もかなりのものでした。中継映像のカメラマンも思わず裸足です。親指がとても長かったのが印象的でした。

 レース終盤はバスストップ・シケインでレースを楽しみます。中継で放映されていたかどうか知りませんが、激アツバトルだったのがLM-GTEアマクラスのトップ2台です。
 
 “本家”アストンマーチン・レーシングとカスタマーチームのTFスポーツというアストンマーチン勢同士の争いではありますが、激しいバトルで観客を沸かせます。凄いのは必ず相手の走行ラインを残して接触しないということ! ル・マン24時間、LM-GTEアマクラスからも目が離せません。

 レース終盤もいろいろありましたがアロンソ様、トップチェッカーです。ところがゴールライン上のフラッグタワーではチェッカーフラッグが振られません。
 もうストレート上ではバンバン花火が上がってしまっていて一時オフィシャル達が大混乱です。結局うやむやになりましたが、世界選手権でもこんなことがあるんですね。

 表彰台に立ったアロンソ様、うれしそうです。控えめな拳が可愛いですが、写真を連続で見ると何度も上下に動かしていました。
 
 しかし何度も言いますが、中嶋一貴さんの横にフェルナンド・アロンソが居る。未だに不思議な感じがします。誰が想像できました?

 こちらはLMP2クラスで優勝したGドライブ・レーシングのロマン・ルシノフさん。いつ見てもシュッとしていてカッコイイ方ですが、いつ見ても“俺様感”が半端ありません。いつか『ロマン・ルシノフ俺様伝説』的な企画をやってみたいと思うのですが、興味ある方いらっしゃいますでしょうか?

 あまり報道されていませんが、LM-GTEアマクラスではクリアウォーター・レーシングの澤圭太さんがクラス3位に入っています。表彰式ではひたすらシャンパンをかけられてこの表情です。激戦のLM-GTEアマクラスで3位入賞、素晴らしいです! ル・マン24時間に期待しましょう。

 唐突ですが、これは2012年のWECスパ車検日の写真です。あれから早6年、思い返すと感慨深いものがあります。

 それでは最後に昔のメントスのCMに登場しそうなグリッドガール・グリッドボーイでお別れです。
 
 スパからお伝えたした本ブログ、最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。

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