DJI、Microsoftとドローンの企業向け活用に関するパートナーシップを発表

Microsoft Build Conference 2018 Microsoft社 Azure IoT担当 Sam Geroge氏によってこのパートは進められた

DJIは、米Microsoft社とAI及びマシンラーニングにおける技術をDJIのドローンに活用する戦略的パートナーシップの締結を発表した。このパートナーシップにより、産業用ドローンとエッジクラウドコンピューティングのテクノロジーをビジネスに活用していくとしている。

このパートナーシップを受け、DJIはソフトウェア開発キット(以下:SDK)をWindows向けにリリースする。Windows 10 PC向けのアプリを使用することで、DJIのドローンはさまざまな産業向けに、飛行管理やリアルタイムデータ伝送機能の搭載などのカスタマイズや制御が可能になるという。現在シアトルで開催中のMicrosoft Buildカンファレンスで発表された。

DJI Francisco氏がパイロットとしてデモ。Microsoft Build Conference 2018

また、DJIはMicrosoftのクラウドサービスであるMicrosoft Azureを導入し、AzureのAI技術とマシンラーニング機能を活用することで、空撮写真や動画データを実用的なインサイトへと変換し、世界中の様々なビジネスに提供するという。

Microsoftクラウド&エンタープライズグループEVP Scott Guthrie氏は以下のようにコメントしている。

Scott Guthrie氏:ユビキタス時代を迎え、インテリジェントエッジは次世代の先端技術として台頭しています。DJIは、産業用ドローンのリーディングカンパニーであり、Microsoft Azureのパートナーシップにより、インテリジェントクラウドとAzure IoTの性能がEdge上のデバイスにもたらされ、農業、公共安全分野や建設業など、さまざまな産業や業界を変革するでしょう

DJIのWindows向けSDKで、開発者はWindowsのネイティブアプリを構築することが可能になり、自律飛行やリアルタイムのデータ配信を含めたDJIのドローン遠隔操作が実現するという。

Windowsの開発者コミュニティーはSDKを使い、マルチスペクトルセンサーやカスタムアクチュエーターのようなロボット構成部品などのサードパーティー製のペイロードの統合と管理を行えるようになるため、企業によるドローン活用方法も増大するとしている。

DJIプレジデントのRger Luo氏は次のようにコメントしている。

Rger Luo氏:私たちは、DJIの空撮プラットフォームがMicrosoftの開発者向けエコシステムに貢献できるこの貴重なパートナーシップの発表を大変嬉しく思います。DJIの新しいSDKを使用することで、Windowsの開発者は、ドローンやAI、マシンラーニング技術を採用したスマートな飛行型ロボットが開発でき、これにより、ビジネスに費やす時間やコストが削減できます。ドローンテクノロジーをビジネスのさまざまな現場で使用することが、今後の主流になるでしょう

Keynoteで披露されたAIソリューションのひとつプラント調査デモ Windows向けSDKに加えて、農業、建設、公共安全といった分野でAzure IoT EdgeとAIを活用したドローンソリューションの開発においても連携するという。Windowsの開発者は、Azureの大規模なクラウドとDJIのドローン、クラウドに長けたAIソリューションを構築するためのIotツールセットを使用し、現場でリアルタイムにドローンを展開できるとしている。その結果、一ヵ所の現場から入手した調査結果やデータを活用し、組織全体に適用が可能になるという。

MicrosoftのFarmBeatsソリューションを使用し、精密農業の先進技術において既に協力しており、FarmBeatsでは、Azure IoT Edge上で稼働するAIモデルを使用する空中センサーと地上センサー双方からのデータを蓄積し、分析するという。DJIのドローンと使用することで、FarmBeatsは高度なセンサー性能を最大限活用し、熱や光、蒸気を感知できるため、可視化したデータを農作物や土壌、家畜の栽培、飼育に活用可能。DJIの「GS(GroundStation)Pro」とマッピングアルゴリズムを統合し、Azure IoT Edgeにリアルタイムなヒートマップを作成する。ヒートマップは、種の発芽に土壌の状態が最適になったかどうかを表示し、農業従事者の植栽戦略をサポートするなど、さまざまな方法に役立てるとしている。

DJIのWindows向けSDKのベータプレビューは、Microsoft Buildカンファレンスに参加中の開発者を対象に2018年5月8日より提供される。それ以外の開発者へは2018年秋頃から提供を予定している。 Windows向けSDKとDJIの開発者向けソリューションについての詳細はDJIのデベロッパー向けサイトで確認できる。

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