友好35年、県と中国・遼寧省が覚書 観光・文化から産業に交流深化へ

 中国・遼寧省との友好提携締結35周年の節目を機に、県は同省との交流深化に乗り出す。同省の幹部が8日、県内を訪れ、従来の観光、文化、スポーツなどに加え、新たにライフサイエンスや、ロボット産業、環境分野にも枠組みを広げた覚書を締結。県が誇る先進的な取り組みを柱に、より強固な信頼関係を築いていく。

 県と同省は1983年に協定を締結。2013年にも黒岩祐治知事が同省を訪問し、超高齢社会や環境問題の課題に連携して取り組むことなどを盛り込んだ協定を結んでいる。

 この日は同省の張雷常務副省長が来県し、横浜市西区のホテルで黒岩知事と覚書を締結。張副省長は「今回の訪問は意義深い。これまでも双方が幅広く交流することで成果を上げてきた。友好関係が深まることを期待している」と述べた。

 今回盛り込まれたライフサイエンスやロボット産業は同省が重点産業として位置付ける一方、県が特区を活用するなどして全国に先駆けて取り組んできた分野でもある。

 知事は同日の定例会見で「日本の企業にとっては中国での新たなビジネス展開もあり得る。互いのマーケットを刺激することになるのではないか」と意義を強調。「日本と中国は国同士でいろいろなことがある。どんなことがあろうと地域同士で信頼関係を結んでいくのは両国にとって重要なこと」とし、7月に遼寧省を再訪する計画であることを明かした。

記念品を交換した黒岩知事(右)と張副省長=横浜市西区

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