車載モータの世界市場、25年は5割増に拡大 矢野経済研予測

 矢野経済研究所は、車載モータの世界市場調査を行い、「車載モータ市場の最新動向と将来展望2018」としてまとめた。それによると、2025年の世界市場は、16年比49・1%増の44億7100万個まで拡大すると予測。燃費向上技術の採用や電動車へのシフトが世界規模で加速し、市場拡大が急速に進むとみている。

 車載モータの市場動向に大きく影響を与える次世代自動車の普及については、欧米の自動車メーカが20~25年にかけて電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車(PHEV)を拡充させる戦略を公表しているほか、中国では原油の輸入依存低減や環境問題への対策として新エネルギー車(EV、PHEV)の生産・販売を促進する政策を打ち出している。

 今後も次世代自動車は全世界的な流れとして拡大し、20年ごろをめどに本格的な成長期を迎えると予測している。また、内燃機関車でも安全性や利便快適性を目的とした高機能化が高級車を中心に進むことで車載モータ市場が拡大するとみている。

 25年のシステム領域別の市場予測は、パワートレインが同比35・3%増の7億6300万個、シャシが同比63・9%増の3億4900万個、ボディ(パワーウィンドウやパワーシートなど)が同比48・1%増の32億6700万個、次世代自動車システムが同比5・7倍の9100万個。次世代自動車システム領域(主機モータや電動コンプレッサなど含む)は、現状では全体の1%に満たないが、今後は急速な増加が見込まれ、25年には全体の2%を占めると予測している。

 主機モータは、現状は2モータ方式のハイブリッド自動車が市場の大部分を占めるが、今後はEVの普及や欧州でのPHEVなどの需要拡大で1モータ方式の普及が拡大するとみており、25年には同比4・9倍の2080万個まで市場が拡大すると予測している。

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