NEDO「革新的新構造材料等研究開発」、新たに4テーマ採択 超ハイテンの解析・評価技術開発など

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は8日、自動車など輸送機器の軽量化を目指す高機能鋼板などの研究開発プロジェクトで、新たに4つの研究開発テーマを採択したと発表した。鉄鋼関連では今年度から超高張力鋼板(ハイテン)の利用課題となる腐食や水素脆化の解析・評価技術の確立に乗り出す。

 同プロジェクトは2014年度から10年間の事業期間で進める「革新的新構造材料等研究開発」。委託先となる新構造材料技術研究組合(ISMA)に加盟する民間企業などが研究開発を進めており、鉄鋼メーカーでは新日鉄住金やJFEスチール、神戸製鋼所などが参画している。

 鉄鋼関連の新たな研究開発テーマは、超ハイテンの腐食挙動解析技術と水素脆化挙動評価技術の2つの技術開発。自動車で超ハイテンを利用する上で課題となる腐食と水素脆化の克服に向け、20年度まで2年がかりで研究に取り組む。

 同プロジェクトはすでに引張強度1・5ギガパスカル、延性(伸び)20%など最終目標の条件を満たす高機能な超ハイテン開発に実験室レベルでめどをつけている。今後は開発材料を使いこなすための技術開発に軸足を移すことになる。

 このほか、鉄鋼以外の材料も組み合わせるマルチマテリアル車体の設計技術開発、難燃性マグネシウム合金を対象とした疲労特性の予測計算モジュールの研究開発を新たなテーマとして採択した。

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