国道1号に津波標識 浸水想定区間を意識づけ 大磯町・二宮町・中井町

起点(左)と終点(右)の津波標識=大磯町内

 防災・減災意識の向上や的確な避難行動を促すために、国土交通省横浜国道事務所は、大磯町から小田原市板橋までの国道1号に津波標識などを整備した。

 標識は、津波で浸水する恐れのある全15区間の起終点に設置。「ここから」「ここまで」と、浸水想定区間であることを日本語と英語で示している。起点と終点が数百m以上離れている箇所には「前方280m 後方140m」などと範囲が分かる区間内標識を設けた。

 津波浸水想定区間は大磯町に3区間、小田原市との隣接部を含む二宮町は2区間。津波警報などの発令を知らせる情報表示装置も6基整備された。

3分で最大17m

 国による最新の科学的知見や災害における「想定外をなくす」という観点から、県はそれまでの予測を見直した津波浸水想定図を2015年3月に発表。大磯町と二宮町では最大17・1mの津波が3分で到達することが示されている。

 津波標識などの施設は県の想定を踏まえ、同事務所が沿線自治体や関係機関と協議して整備したもの。地域住民のほか観光やレジャーで国道を利用するドライバーらにも浸水区間を認識してもらい、災害時の安全確保につなげることがねらい。

 同事務所では、車道と歩道の間にある横断防止柵にも浸水想定区間であることを明示するカラーサインを付ける予定。「日頃から防災意識を持ち、津波が発生した際はいち早く安全な場所へ避難してほしい」と話している。

© 株式会社タウンニュース社