ロッテ打線を支えるルーキー2番打者 犠打成功率100%を誇る藤岡裕

ロッテ・藤岡裕大【写真:荒川祐史】

自己犠牲を厭わず「次につなごうという意識」

 千葉ロッテのドラフト2位ルーキー・藤岡裕大選手は、2番打者という役割をきっちりこなしている。

 5月8日現在、打率こそ.239だが、犠打、進塁打と貢献度はかなり大きい。犠打は今季ここまで8個記録しているが、成功率は100%。ZOZOマリンスタジアムで行われる試合前練習では、マシンを相手に1球1球確認するように、丁寧に犠打練習を行っている成果の賜物だ。

 藤岡は「前を打つ荻野(貴司)さんも足が速いので、コースにきっちりというよりは、まずは打球を殺してという意識です」と犠打を行っている。

 4月28日に行われた北海道日本ハム戦でも、得点にこそ結びつかなかったが、5回の攻撃で先頭の1番・荻野が安打で出塁すると、続く藤岡はきっちり初球で送りバントを成功させた。

 藤岡は「そんな進塁打を打とうという強い意識はないですけど」と話すが、2番打者として時に進塁打で“犠牲”になることもある。

 3月30日の楽天戦では、5回1死一塁の第3打席、一塁走者の荻野が盗塁に成功して1死二塁とすると、藤岡は2ストライクから簡単に打ち取られずファウルで粘った末に一ゴロで荻野を三塁に進め、中村奨吾選手の適時打につなげた。

 その後も、ランナーが得点圏にいる時は走者を進めることを意識した打撃が目立つ。藤岡は「次につなごうというのは意識しています。ヒットを打ちにいった中での結果。いい結果を求めた上でそういう結果になっているので、次につながるかなと思います。それが点につながればいいかなと思います」とチームの勝利のため、自己犠牲を厭わない。

 もちろん、4月29日の北海道日本ハム戦の初回無死二塁の第1打席のように、思いっきり引っ張り、右安で好機を広げ、中村の適時打につなげることもある。この日は、1点を追う6回2死一、二塁から「チャンスでしたし何とかしたかったです」と西村天裕投手が投じた150キロのストレートを思いっきり引っ張り、逆転となる適時三塁打を放った。

 犠打、進塁打、打ってつなぐ、そして決める。新人ながら2番で出場を続ける藤岡は、今や千葉ロッテに欠かせない存在だ。

(Full-Count編集部)

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