桐蔭学園 世界舞台に論戦 模擬国連日本代表に 横浜市青葉区

左から渡邊君、永見君、橋本顧問

 ニューヨークの国連本部などで5月11日、12日に行われる模擬国連の世界大会に桐蔭学園中等教育学校6年の永見大智君=青葉区在住=と渡邊玲央(れお)君=藤沢市在住=が日本代表として出場する。同校の世界大会出場は4年連続8回目。

 模擬国連は参加者が国連加盟国の大使として国際会議のシミュレーションを行う教育プログラム。国際政治の仕組みを理解するとともに、人権や安全保障など実際の問題について解決策を探る過程を体験することで、世界で活躍できる人材を育てることが目的だ。

 同校の模擬国連部に所属する2人。校内審査を経て昨年11月に国連大学で行われた第11回全日本高校模擬国連大会にUAE(アラブ首長国連邦)大使役で参加した。大会の設定テーマは「ジェンダー平等」。各文化によってとらえ方が異なり、また、UAEは性に厳格なイスラム圏でもあるなど難しさもあったが、2人は各国からNOが出ない決議案を一貫して主張し、会議を主導。ミスはあったものの、最高賞の最優秀賞を獲得し、世界大会に進む日本代表6校の1つに選ばれた。

 世界大会には、例年20カ国以上、同世代2千人余りが参加する。今年は安全保障理事会を舞台に設定し、2人はウルグアイの大使として設定されたテーマ「選挙監視」に挑む。任意ではなく、投票を義務として課している同国のメリットを考え、主張していく方針だが、常任理事国の拒否権を想定しながらになるなど、交渉難度や駆け引きは例年以上になるとみられている。

 大会を前に永見君は「海外に行っても議論する機会はなかなかない。同年代と議論し、大使同士として新しい考えを知ることができたら」と話す。一方、渡邊君は「どんな結果に終わろうとも悲観せず、楽しんできたい。その結果、賞がもらえれば」と健闘を誓った。

 顧問を務める橋本雄介教諭は「2人は柔軟性があり、失敗があっても動きをやめず、次の手を打てる強さがある」と評価。日本選手団が獲得したことのない世界大会最優秀賞に向けて期待を語った。

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