「為替」関連倒産(4月)

 2018年4月の外国為替市況は、米中通商摩擦の懸念から3月には一時的に1ドル=104円台をつけたドル円相場が、徐々に悲観論が後退したことで4月5日には107円台まで円安に振れた。
 さらに月半ばに開催された日米首脳会談では、対米貿易黒字に対して米国から具体的な要求がみられなかったこともあり、24日のニューヨーク外国為替市場では、米長期金利の上昇も受けて、約2カ月半ぶりに1ドル=109円台まで円安ドル高が進んだ。
 こうしたなか、企業倒産は依然として沈静化が続き、4月の「円安」関連倒産は2カ月ぶりの発生なし(前年同月4件)。また、「円高」関連倒産も3カ月連続の発生なし(前年同月ゼロ)。

 外国為替の関係者からは、ドル円相場は昨年11月を天井にして円高基調で推移し、今年3月後半に一服したが、現状はあくまでもリバウンドの範囲内であり、円安ドル高が本格化したわけではないとの指摘もあり、変動要因も多いことから今後の為替相場の動きには注意を怠れない。

円安関連倒産月次推移
円高関連倒産月次推移

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