にぎやかな食卓に笑顔「なかよし食堂」 毎月1回ワンコインで 五島市民有志 食材、ボランティア募集

 大人数で楽しく食卓を囲む場を提供しようと、長崎県五島市の有志が月に1回、ワンコイン(1~100円)で手作り料理を提供する「なかよし食堂」を始めた。子どもや高齢者が一人きりで食事するのを防ぎ、地域住民の交流を深めることも目指す。5日に市内で初めての活動があり、温かなうどんなどが振る舞われた。
 発案者は五島観光タクシー社長で、市内で不登校に悩む子どもや親の支援活動に取り組んできた辻千穂子さん(61)。「地域の人から、事あるごとに『食べに来んね』と誘われた昔の五島」をイメージし、みんなで食事をする楽しみをあらためて感じてほしいと企画した。
 食堂の場所は、辻さんが所有するフリースペース。辻さんの同級生や知人ら約10人がボランティアとして調理に協力する。食材は趣旨に賛同する市民や地元農家、スーパーなどからの寄付でまかなう予定という。
 初開催となった5日のメニューはうどん、豆ご飯、サラダ、かしわ餅。午前11時半ごろから家族連れなど数組が訪れ、初対面の人とも会話を弾ませながら食事を楽しんでいた。辻さんは「ゆくゆくは『孤食』をしている子どもたちも食堂の存在を知ってもらい、気軽に訪ねてきてほしい。そのためにも長く続け、地域に必要とされる場にしたい」と話した。
 なかよし食堂は毎月第2土曜、同市木場町のフリースペース「つぼみ」(五島観光タクシー第3車庫そば)でオープン。次回は6月9日午前11時半~午後1時に開く。食材の提供や調理ボランティアも募集している。問い合わせは辻さん(電090・5471・8431)。

机を囲み、会話を楽しみながら食事をする辻さん(右上)と参加者=五島市木場町
かしわ餅を作るボランティアスタッフ

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