プロ野球・横浜DeNAベイスターズのアレックス・ラミレス監督(43)が10日、ダウン症の若者を支援する団体への寄付を目的として、無料通信アプリLINE(ライン)の公式スタンプを発売した。3年前に長男の剣侍君が誕生し、翌年にダウン症であることを公表。プロスポーツの指導者が会員制交流サイト(SNS)を活用して福祉活動に取り組むのは珍しく、ラミレス監督は「支え合う輪が日本中に広まってほしい」と願っている。
発売された公式スタンプは全24種類で音声付き。ラミレス監督の明るいキャラクターがポップなデザインに込められ、1セット240円で販売。収益の一部を、ダウン症など知的障害のある若者たちがメークなどを施し、華麗な衣装を身にまとって個性を表現するコンテスト「スペシャルビューティージャパン」の開催に役立ててもらう。
コンテストの発起人で、一般社団法人「マイノリティー交流協会」(本部・東京都)で活動する米国人タレントのジェイソン・ハンコックさん(42)と2年前に知人を通じて知り合い、趣旨に賛同。「自分にできることがあれば何でもしたい」と今回の取り組みを発案したという。
障害と向き合うラミレス監督は「息子がダウン症だと分かった時は、神様によって祝福されたのだと思った。神様は選ばれし人にだけしか“スペシャルニーズ”のある子どもの親になる機会を与えてくださらないから」と捉え、「ダウン症であることを隠さず、堂々とできることが理想の社会」と呼び掛ける。
ハンコックさんは「大変光栄だし、とても助かる」と喜ぶとともに、「海外では著名人が支援してくれるケースは多い。日本にももっとチャリティーの文化が根付いてほしい」と活動の広がりを期待していた。