コケに魅せられて 全国愛好家が鎌倉で展示へ

 知られざるコケの魅力に迫るイベントが12、13の両日、コケ専門店「苔(こけ)むすび」(鎌倉市由比ガ浜2丁目)で開かれる。全国の愛好家が手掛けたアート作品を展示するほか、購入もできる。店主の園田純寛さん(34)は「まるで小さな森のように足元で広がる小さな植物を知ってほしい」と来場を呼び掛けている。

 15人の愛好家が作品を出展。絶滅危惧種のミズゴケを特殊な技術で人工栽培して整備した湿原庭園や、動物のしっぽのようなふわふわした触り心地の「ヒノキゴケ」や花のような形の「オオカサゴケ」など多様な品種をガラス容器に植え込んだ「苔テラリウム」など約100点が並ぶ。

 園田さんは、鹿児島県・屋久島に生息するコケの美しさに魅せられ、脱サラして3月、店を開いた。「邪魔物扱いされることが多いが、約2千種類ある国内のコケにはそれぞれ個性がある」と園田さん。募集は締め切ったが、寺院や道端を巡るツアーも行う予定で、「都心から近く、神社仏閣が多い鎌倉はコケの隠れたスポット」と熱く語る。

 時間は両日とも午前10時から午後5時まで。13日にはコケの鉢植えづくりのワークショップを有料で開く。問い合わせは、同店電話0467(38)8136。

作品「苔テラリウム」を手に、イベントへの来場を呼び掛ける園田さん=苔むすび

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